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一日も早い回復をお祈りいたします

6/29 の放送

2007-06-30 01:56:37 | ラジオ

青春アドベンチャー ラジオの前で 最終話

(ゆういち)
夕日が 沈んでいった。
まるで 荘厳な儀式のような時間。
オレと まりこさんは 車の中にいた。

空に 一番星が 見え始めた頃、
あやかちゃんと お父さんが 車に来た。

「どうも、自己紹介を まだ してませんでしたね。はやみと言います。」
「あの・・、刑事さん?・・ですよね。」
「娘が 言いましたか?」
「いえ、あの・・。事故で。」
「後ろから、追突・・。」
「あ!あ~ あの時の。」
「その節は 失礼しました。」
「そうですか、あの時の・・。」

「あの・・、花火 しませんか?」(あやか)
「いいね~、そうしよ!」(まりこ)
「電池も買わなきゃ。」
「電池?」
「ラジカセで ラジオを聞くんです。」
「ああー。素敵。」

あやかちゃんと お父さん。
まりこさんと オレ。
思えば 不思議なメンバーだ。
空は まだ 暮れなずんでいた。


(くどうあかね)
石垣島の 夜の浜辺に いた。
「あかねさーん。」
「ゆきさん。」
「気持ちのいい夜ですね~。」 「ええ。」
「さとさん、寝ちゃいましたよ。」
「そうですか、すっかり私を くどうあかね だと。」

「ねえ、どうして ここに来る気になったんですか?」
「この数日 いろいろあって。でも一番 背中を押してくれたのは、このメールかも。」
「はい?」
「中学生の女の子からの。最初は いたずらメールを 送ってきた子なんです。」
「そう。」
「最近 お母さんを亡くして ずっと悲しくて。でも やっとお母さんと過ごした海に 行くことに したって。」
「そう その子、お母さんと話しに行くんですねー。あなたみたいに。」

「私は ずっと母に 愛されてる自信が無かった。でも 思った。自分から 歩みよれば いいって。・・まだ 間にあうかしら。」
「大丈夫ですよ。」


(たろうくんとおじいちゃん)
「じいちゃん、あやかお姉ちゃん また 遊びにこないかな?」
「くるよ、きっと。たろうが 来て欲しいと 本気で思えばな。」
「本気って?」
「へへ、嘘がないって 事だよ。」
「僕 嘘つかないよ!」
「そうかい、そうかい(笑)。」
「いいねー。ラジオは。」
「じいちゃん、もうピアノ弾かないの?」
「そうだなー。たまには 弾くか。」
「うん!」


(れいこ)
私は けいごさんの病院にいた。
今日が 恐らく 一緒にいられる最後の夜。
明日から 身柄は 警察に移され 取り調べが行われるらしい。

「れいこさん。」
「何? どこか痛い?」
「いや、窓。カーテン開けて。」
「あ!星。」

ビルの間から またたく星が 見えた。

「ラジオ伝言板、書いてくれたんだろう?」
「ええ。」
「刑事さんが 教えてくれた。」
「そう。」
「待ってて欲しい。」
「私も 借金の件 ちゃんとしておく。」
「くどうさんに 相談して。」
「うん。」
「星 見える?」
「ちょっと 体の向き変えるね。これで どう?」
「ああ、見える。」
「きれいでしょう。」

「あの伝言板 いろんな人が 聞いてたんだな。」
「そっかー、なんか恥ずかしい。私は ただ けいごさんに・・。」
「誰かが 誰かに贈った言葉が 他の人に伝わって その人の心を動かす。そんな事・・あるかな?」
「少なくとも あの刑事さんは れいこさんの伝言板に 何かを感じたから こうして オレ達を 会わせてくれたんじゃないかな。」
「この 今かかってる曲も 誰かの思い出の曲かもしれない。」
「そうね。」

また 続きます。

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