「ニワトリは はだしだ。」って言う 肘井美佳ちゃん主演のDVDを観ました。
これ、可愛い題名だし、なんとなくほわ~とした雰囲気で 始まったので 癒される感じの映画かと 思ったら・・。
かなりデリケートな題材を扱った映画だと 思います。ちょっと感想を(簡単に)言っていいものか どうか?って まだ迷っているぐらいです。
ストーリーは 「驚異的な記憶力を持つ知的障害児が 警察の汚職に関する事件に 巻き込まれる・・」という お話です。
肘井美佳ちゃんは その男の子の養護学校の先生役で お話の流れでいくと その男の子が主役なんじゃないの??って思うんですけど。
(DVDのパッケージを見ると 一番初めに 美佳ちゃんの お名前があるので 主演は 美佳ちゃんなんですね?!・・なんて思うのですが 途中から美佳ちゃんが ほんと“熱い!!”んです。なるほど これは主役ですね~と納得するぐらいの 頑張りぶり・・でした。)
このお話は まったくの作ったお話なのか、それとも 何か事実に基づいて書かれたお話なのか、それによって 感想も変わってくるのですが この映画 PG12なんです。
特に残酷なシーンもないのに(殴られたり・・ぐらいは あります。) この扱いなのは これを そのまま事実だと思われて 勘違いされて問題になったら いけない・・と制作者サイドが 思ったからなのかな・・と思いました。
在日朝鮮人のハハと 日本人のチチとの間の子どもである サムと呼ばれている少年。
重度の知的障害を持つ(そして たぶん自閉の傾向も強い)子どもなんですが 自分のコダワリを持つ部分には ものすごい集中力で記憶してしまう・・ため たまたま 学校をサボって 入り浸っていた所で 汚職に関するノートを見てしまって(無邪気に)内容を覚えてしまったものだから 警察にも 暴力団の人達からも追われて・・という風になってしまうんです。
また、その子に えん罪として罪をなすりつけようとする 上層部や 政治の裏・・の話も かなりリアルで どこまで作り話なのか?って 心配にもなります。
サムくん自身も 両親ともに 彼に対しては 愛情たっぷりなんだけど、教育方針の違いから 家族分かれて 暮らしているので 寂しさ・・故に 時々不安定になってしまって パニックを起こしたりも している。
(自閉傾向の強い子は 不安定になりやすいんだけど、サムくんは もともと穏やかな性格らしく お母さんと離れて生活していることが無ければ ずいぶんと落ち着いていられるようなんです。)
チチもハハも 良かれと思ってやっているんだけど 裏目に出て・・という感じです。
そんな サムくんを心配して 美佳先生(もちろん 映画の中では 違う名前ですが)が頑張るのですが いや~、とにかく肘井美佳ちゃんが熱い! 誰に対しても 正しいと思ったら一歩も ひかないで戦うんです。
お母さんに 会いたがっているのに 会わせないお父さんに 辛抱強く説得したり、えん罪を押し付けようとする警察に 噛みついたり 脅しをかけてくる暴力団から サムファミリーを逃がしたり・・して すんごい体張ってて 逞しいんです。
(牙狼のカオル・・とは かなり違うキャラですね。カオルさんも 正義感強いけど まだ“女の子”のイメージ強いから。)
また強いだけでは無く 自分の内面では 権力主義の父親との衝突や 母親を庇いきれない もどかしさや 悩みも沢山抱えていて 人間的な面も見せます。
けっして キレイ、カワイイを売りにしていなくて(美人さんなのに) 体当たりな感じが いいですね。
また 上の言いなりで なあなあに なってる警察の中で まだ善意が残っている若い刑事さん役に 「僕はやっていない」 の加瀬 亮さん。
この人が 少し頼りなかったりも するのだけど 警察の中で かろうじて残っている善意の人。暴力上司に 殴られたりしながらも 正しいと思うことを やっていこうとする姿が 嬉しい。
在日の方々に対して残っている差別、警察の汚職、重度障害児の教育の問題、外国人の密輸・・とお話(問題)も もりだくさん で、正直 色んな事を盛りこみすぎかな~という気もしました。
でも、肘井さん 頑張った・・と思います。テンション高く 台詞を言うところなど、原田芳雄さんと並んでも 負けてないし、塩見三省さんに飛び蹴りするし・・で これ見て 肘井さんのイメージが 変わりました。