『鉄騎兵飛んだ』という映画があった。
ずいぶん前の作品になるが石田純一のデビュー作ではなかったかと記憶している。
この映画はモトクロスに青春を賭けた若者の物語で、飛行機とは直接関係がなかったのだが、主人公がモトクロッサーにまたがってジャンプしている映画の1シーンと、そのタイトルがいつまでも記憶に残っている。
自分の記憶の中で『飛んだ』 という言葉が飛行機と重なり合って脳の片隅に刻印されたのだと思う。父の代から受け継ぐ飛行機乗りへの憧れを持ち続ける血が体中に流れている(知覧特攻平和会館のページに記載)のだから仕方がない
こんなセスナ172の離陸時の画像を見ていると、ついそんな言葉が浮かんでくる。
『プロペラの不均衡荷重』について
言うまでもなく、この写真は地上待機している172の機首部分を真横から見た写真である。プロペラ断面をこうして真横から見てみると、理解しやすい。
この写真で見るプロペラのピッチ角。今こうして見ている機体左側のプロペラのピッチは離陸して機首が上がると、空気に対する角度が浅くなるということがわかると思う。反対に向こう側(機体右側)のプロペラピッチはこの写真とは逆で深くなる。
つまり離陸上昇時のように機首を上げた姿勢の時は、プロペラが空気をかく量が右側では増加して左側のそれを上回るので空気を後に追いやる量に左右不均衡が生じる。
合わせてプロペラ後流が垂直尾翼を左から押す影響、さらにプロペラの反動トルクが加わって機首を左に偏向させる力となって働き、これらの力が総合して加わるためほぼ例外なく飛行機を左へ持っていこうとする。
難しい理論を持ち出すまでもなく、それらが合わさった総合力によって機首を左へ、左へと持っていこうとするのである。
離陸後は右ラダーをしっかり踏んでおかなければボールはすっ飛び、振り返ったとき滑走路の延長線上から大きく左へズレていってしまうのを見ることになる。過去自分の訓練で右ラダーを踏みすぎて右へ流れたことは一度もなし。つまりほとんどが踏み足りずに左へ偏向していく離陸だった。
この画像などは私が操縦訓練を始めたばかりの初期の頃のものだが、離陸直後でこれだけ進路がズレているという証拠写真である。
ちなみにプロペラのついていないジェット戦闘機にこの左偏向は現われず、その点だけ取ってみれば楽だとの事である(航空自衛隊F-1戦闘機パイロットから直接聞いた話)
空気の圧力は、ずっしりとそれなりの重みを我が腕、足へその操縦装置から伝えてくる。 今年のフライトスケジュールはすでに終わったが、来年はぜひ再チャレンジを果たしたいと思う
不均衡加重、反トルク、後流、ジャイロ
・・・
わたしも最初はなぜ左に流れるのか
不思議でしたが、
みんなプロペラのせいなんですよね。
いつも右ラダーは踏みっぱなし、の
つもりですが、うっかりすると
いつのまにかボールが滑ってます。
来年もがんばりましょう&よろしく!
離陸後左偏向の写真付け加えました。今更ながら写真で検証してみると『ゲゲッ、こんなに曲がってるの?』って感じです
ヒーヒー言いながらの訓練日記の行く末にご期待下さい