◆セスナ172操縦訓練日記&GB350C

軽飛行機操縦訓練の記録と写真

訓練同乗記

2006年05月29日 | 航空祭

九州南部は梅雨入り宣言発表となりました。 

わが九州北部地方の梅雨入りはもう少々先のようですが、雨、雨、雨の毎日で実質的には梅雨入りしたような状態で、このままいけば6月に入ってまもなく梅雨入り宣言が発表されそうな感じです。

 

 

 

さて、本日はライセンス取得のため渡航し、先日帰国したばかりのクラブ員AさんのTGLに同乗して、後席からじっくり同乗見学させてもらう日です。 

予報より若干回復は遅れ、シーリングは低め。使用滑走路29にして、風は10~15ノットで260度から290度のバリアブル。視程は上空での訓練に支障ない程度ながらヘイズがあり、若干の降雨あり、という状況でした。そしていざ、上空へ上がってみると気流が・・・  

15ノット程度の風でも、空域の気流が悪くなければなんてことはないんですが、ところどころエアポケットみたいなのはあるわ、一番気を使うファイナルで下降気流はあるわで、けっこう操縦しずらい状況です。

 

 

 

おまけに御覧下さい。カウリングにしつこく、へばりつく水滴。飛行中の風圧で吹き飛んではいくのですが、ちっちゃな水滴が前方視界を邪魔します。  

悪気流をどうにかしたいところですが、こればっかりはどうしようもありません。私が操縦輪を握ってたとしたら、とてもじゃないですが尻込みしたい状況でした。 

しかしAさんは落ち着いていました。すでに国内で30時間、渡航先で30時間の計60時間飛んでいます。アップウインドレグ、クロスウインドレグ、ダウンウインドレグ、ベースレグ、ファイナルアプローチと着実にこなしていきます。

 

渡航先で飛んだ機体はセスナ172R。 本日搭乗機はセスナ172P型。機体の操縦感覚には少々違いを感じるとの話でしたが、訓練の成果を十分感じさせる操縦でした。  

わが県央空港のトラフィックパターンは周りが山に囲まれ、けっこう窮屈な印象です。『ここできっちりやれるようになったら、どこへ行っても大丈夫! と教官が言うくらい実は難しい空港なのです 

後席で訓練見学してる者は楽なもんです。なるほどー、あそこでは、あーやればいいんだなー、そっかーあそこで旋回しながらエアスピード落としていくんだなーなんて・・・自分が操縦輪を握ってれば全く余裕はございません、いつものことながら。だから同乗見学は非常に勉強になるのです。 

 

計4回のTGLを行った後、最後に見せてくれました!  フルストップ5回目の着陸ではなんとランディングの後、ノーズを上げたまま数10メーターの滑走を見せ、減速。 

F-15イーグルがエアブレーキを開いてノーズを上げたまま減速している形態をご存知の方もいらっしゃるでしょう。そのイメージとダブりました。しっかり方向を維持し、機体の姿勢を把握していればこそ出来る技術です。 

飛行機の操縦は、車を運転できる人なら誰でも操縦できるようになりますなんて書いてある本もあったりしますが、私はそうは思いません。 

やはりそれなりに飛行機の理論とか、技量の向上を目指し、幅広い分野について学ぶ意欲のある人がアマチュアと言えども、上達していくのだと思います。  

  

実はAさんは今回見事に現地での試験に合格され、1~2ケ月後に念願のライセンスを所持されることになっています。

おめでとうAさん!  

これからもぜひ飛び続けて下さい! 

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マリオットの盲点

2006年05月27日 | 航空祭

写真は昨年、熊本の阿蘇カントリー飛行場でASK-13というグライダーに乗せてもらった時、高原から撮影したものです。

 

 

 

見張り(ルックアラウンド)をすることはパイロットにとって大切な技量の一部になっています。いったん上空に上がったら、飛行中のルックアラウンドは大変重要です。 

 

セスナ172は胴体上部に翼がついていて、航空写真の撮影にはとても適した機体で、操縦席からの視界が広いのが大きな特徴ですが、見えにくい方向も当然あります。 

 

セスナ172における操縦席からの死角は、エンジンカウリングの下方、主翼の上方とされています。

 

実際の飛行訓練では、この死角を考慮し、旋回を開始する際は必ず旋回方向の安全を、声を出して確認してから旋回に入るよう、教官に指導されています。 

 

操縦教本によると、航空医学上の目の機能として、昼間の視力は眼球の中心部にある視神経付近にある垂体細胞で認識され、目標を正面に見据えた時、もっとも明瞭である。と記されています。

 

さらに医学用語で言う、中心視から視神経までの角度は15度であり、ここには

マリオットの盲点

と呼ばれる、物が見えない部分が存在する、とのことです。 

 

日中、両目を開けていても、左目がサングラスのフレームなどで隠されていると、右15度方向から来る相手機を見ることができない、というようなことが起こり得るということです。つまり注意を怠って漫然と飛んでいると、危険回避が遅れる可能性があるということになります。 

 

現実のフライトでは、教官もルックアラウンドをしながら計4つの目で見ながら飛んでますので、まずそういう危険な目にあう事はないですが。

 

私の場合、わが県央空港で、タッチアンドゴーなどの訓練中、実のところ、ルックアラウンドを十分に行えるほど、余裕もありませんが、こうしたことも一応、頭の中には置いておかなければならないのだなと思っています。 

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初めて飛んだ日の事

2006年05月17日 | 航空祭

 

こうして、わが飛行クラブでのセスナ172を撮影した画像を見ていると初めてセスナに乗った日の事を思い出します 

 

私が初めて軽飛行機に乗ったのは今から10年以上前のこと。セスナに搭乗した時、最初に聞こえてきたのは大分空港周辺の気象に関する情報を無線送信するATIS(Automatic Terminal Information Service) のテープに英語で録音された、管制情報官の声だった。 

 

進入方式、使用滑走路、視程、風の詳細などの情報がエンドレスで流れる。最初はさっぱりわからなかったが、説明を受け、繰り返し聞いているうちに大まかにその意味を理解することができた。 

 

  

離陸した後、地上の風景がどんどん小さくなっていく。空港に駐機している旅客機、地上を走っている車、空港周辺の家々・・・そんな風景をコックピットから眺めているうち

=ついに空中に飛びあがったんだ= 

という実感が徐々にわいてきた。 

 

セスナの場合は前後左右、全ての方向に視界が開けている。憧れの操縦席に乗っていること自体

夢にまで見た光景だった

 

学校で周年行事や新校舎落成の時などによく航空写真が撮られる。子供達がグランドに人文字を作って撮影する航空写真撮影を実施するその日に乗せてもらったのだった。 最初に到達したのは、あたり一面草原という場所に存在する久住町の小学校上空だった。 

 

上空へ行くと、子供達が学校名の人文字を形作ってきれいに並んでいた。 その時の感動のシーンはいまだに鮮明によみがえってくる。 

 

次の学校はお猿で有名な高崎山のすぐ近くの学校だった。上空約1000mの高度から広範囲の撮影を行った後、人文字アップの写真を撮るためにいざ、降下。 バンク角は正確に覚えてないが45度以上のバンク角で進入し、学校上空では機体を滑らせながら(平行移動するかのように)の進入だった。 

 

今、考えてみればかなり高度な技術を駆使しながらの飛行であることがわかる。 かつて見た映画『華麗なる飛行機野郎』に登場し、軽快に飛ぶ複葉機に乗っているような気がした。 

 

離陸した飛行機は宿命として、地上に着陸しなければならない。 降下から滑走路に接地するまでの感じは、イメージ的には繰り返し想像の世界で見てきたが、実際の着陸はもちろん初めての経験だった。 

 

滑走路と平行に飛行するコースをダウンウインドレグと呼び、続いて90度旋回しベースレグ、最後さらに90度旋回して滑走路と正対、いよいよファイナルアプローチとなる。

 

フライトシュミレターで見た仮想世界のそれではなく、目前に実際の滑走路が見えてきた。

 

その時のことは『けっこうゆっくりゆっくり』降りていくもんだなあ、という印象だった。 訓練8時間を越えた現時点での印象は若干変化してきたが、考えてみればあの時の感覚が体のどこかに残っているような気がする。 

 

パイロットは総飛行時間3000時間越えのベテラン。 なんのショックもなく滑走路に接地。プロとしては当たり前、しかし私にとっては・・・

 

パイロットが神様に見えた瞬間だった

 

 

わが飛行機人生の幕開けにふさわしい素晴らしいフライトは

青春の1ページ

として忘れられない日となった 

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訓練13日目

2006年05月10日 | 航空祭

2ケ月ぶりの訓練だった。予報は回復に向かってはいるとはいうものの、空港へ着いた時点ではけっこうな雨。しかも空港周辺の視程は1Kmもあるかどうかという状況だった。  

 

 

今日は私を含め、訓練生3人が心待ちにしていた日だ。雨よ、なんとかあがってくれ!という気持ちだった

 

あきらめ半分、期待半分。その思いが空に通じたのか、空港周辺の山にへばりついていた雲はそうしたわれわれの祈るような気持ちに応えるかのように、予想よりはるかに早々と雲が離れていってくれたのだった。

 

乗り慣れたセスナ172P型の操縦席に乗り込む。そうそう、この感じ、この緊張感。コックピットに収まり、シートベルトを装着しながらだんだんとフライトに向けて気持ちが高揚していく。

アウトサイドクリア

とコールし、イグニッションスイッチを回す。

 

プロペラが回り始めると、いわゆる『いきあし』によって機首が少し下を向き、ジャイロホライゾンが正常位置へと落ち着くようになる。

 

今日はランウェイ29を使って離陸する。離陸前点検を全て済ませ、教官にゴーサインをもらってからいざフルパワーに! エアスピードメーターの指示が50ノットを超えたあたりで操縦輪にバックプレッシャーを加える。

 

前輪を持ち上げられた機体はほどなくして地面を離れる。浮揚した直後、右足が反射的にラダーペダルを踏み込んでいる。いつのまにか頭で考えなくても足が勝手に右ラダーを踏み込むようになってきている。

 

対地高度200フィートに達したところで教官から『アイハブ!』との声。 すかさず『ユーハブ!』と叫んで教官に操縦輪を渡す。そーか、後ろを振り返って滑走路延長線上を飛んでいるかを確認せよ、ということかと瞬時に理解し振り返ってみる。 すると・・・

 

離陸後の目標をしっかり取っていなかったことと、右ラダーの踏み込みが足りなかったせいで飛行経路は左にズレていた。再び正面を向き、操縦輪を受け取るとクロスウインドレグへ向けて左15度バンクの旋回を開始。本日の訓練が始まった・・・

 

本日、4回行った着陸の返し操作中、1回だけソフトランディングした。『ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる』という法則?

教官→『今のはよかった

確かにうまく決まったのだけれど、教官のこの一言がうれしくて、胸がいっぱいになった!

 

着陸を一度だけでも決めてみたい!

たとえまぐれだったにせよ、その目標に手の届いた今日のこの嬉しさは、けして忘れないだろう。

 

訓練開始から1年足らずで味わった最高の喜びだった。飛行技術・技量の向上を求め、これからも飛行機乗りとしての道を、歩み続けていきたいと思う 

 

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スカイクリアー

2006年05月03日 | 航空祭

G.W後半の本日5/3はご覧のような好天に恵まれました。大陸育ちの移動性高気圧に覆われ、絶好の行楽日和となりました。 阿蘇の五岳が一望できるここ、瀬の本高原のあざみ台にてヘリ遊覧を行っていました。最高の天気でお客さんもズラリと並び、ヘリはひっきりなしに飛んでいました。 

 

 

ヘリの大きなメインローターが発するパタパタという風切音がまた気持ち良いですねー。ジェットヘリ独特の音です。 こんな好天の日に空からの空中散歩ってほんと素晴らしいと思います。 

 

私の友人AさんがこのG.Wを利用して、ライセンス取得のため海外へ行ってます。国内ではこんな好天が続いているというのに、現地では天候が思わしくないようです。 ただ、そんな状況の中、訓練はなんとか予定通り進んでいるそうです。

 

 

 

写真は渡航前の訓練の様子ですが、TGLを中心とした現地での訓練により、自信をつけて帰国されるに違いありません。現地での天候回復と充実した訓練を積まれることを祈念して、一足お先に乾杯

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