St. John of the Crossの生き方に憧れて

受洗後、最初に買ったカトリックの本が「愛への道」。相応しい生き方をしてない。彼に倣う生き方が出来るよう心がけたいです。

滝沢って、あの滝沢の?いえ馬琴です。駒ヶ根ミュージカル・非公式プロモ

2010-01-21 14:43:51 | Weblog
 駒ヶ根ミュージカル「八犬伝」プロモの意味で・・・
手元にある「日本の古典」(北原保雄氏編:大修館さん刊)、「日本古典読本」(秋山虔氏他編:筑摩書房刊さん刊)から引く。
「日本の古典」
-”(冒頭)京都の将軍、鎌倉の副将、武威衰へて偏執し、・・・里見治部大夫義実朝臣の、事蹟をつらつら考えるに、・・・”
概要:1814年から1842年の28年間をかけて完成。全96巻106冊。時代は室町末期約60年間。舞台は関東中心諸国。400人超の登場人物。
参考文献:岩波書店さん刊「南総里見八犬伝」、「八犬伝の世界」(高田衛氏:中央新書さん)、「八犬伝」(山田風太郎さん:朝日新聞さん)
批評:1.刊行当時から評を取る。演劇・錦絵はじめ辻講釈にも。2.坪内逍遥は「小説真髄」の中で難じている。ただ、森鴎外に語ったところでは、自身「馬琴を再び葬った小説真髄は、恥ずかしい書」だと。逍遥は「写実」のために三度読んだ「八犬伝」を切った。3.勧善懲悪(仁義礼智忠信孝悌の徳目)は儒教のものに限らず、永遠の理想。幸田露伴「馬琴の書いたヒーローやヒロインは当時の実社会の人々の胸中に存在していたもので・・・」4.馬琴自身の言葉から察するに、「無益な娯楽に教訓を寓する」「片々たる資料をもとに、壮大な架空のロマンを構築した」5.芥川が「淑図とは、「八犬伝」によると「黙するを好む」龍だと云ふ。そこで、この号を得意になって、淑図居士とか何とかつけた」とあり、読本から新しい知識を得ることをも期待していた。中国白話小説と節用集とから集めてきたような漢字ばかりで書いてある文章にすべて振り仮名を付け読者に学識を提供した。
「日本古典読本」
-八の珠から
 ”伏姫は湧きかへる、涙をしばしば押し拭ひ、「旧の身にしてあるならば、親のみづから迎へたまふ、仰せを背きはべらんや。かくまで過世あし引の山の獣に異ならで。・・・こころ言葉も女子には、似げなきまでに逞しき、最期は殊にあはれなり。」
場面はこれから波乱万丈の物語が本格的に始まろうとしている。
評:1.老人性白内障で視力を奪われ、長男の嫁に代筆させる苦労の末、完成した。2.当時の政治への批判も。3.範を「水滸伝」にとる。「水滸伝」は、108の悪魔星が飛び散り、108人の豪傑に転生し、梁山泊に拠って腐敗した政府と対決する。4.馬琴は108個の数珠のうち文字のある8個だけを使い、「水滸伝」にならいながら、八徳を?八犬士に配した。ちなみに、5.馬琴について。作品は、敵討物・巷談物・伝説物・史伝物に分類される。武士道・儒教の精神を理想とする浪漫主義的傾向。勧進懲悪主義。精密で雄大な構想の作品が多い。生涯も著作は300を越える。

「日本古典読本」の”護身刀を引きぬきて、腹へ・・・流るる星に異ならず。”はルドンやラファエル前派、ビアズリーを思い起こさせる。