St. John of the Crossの生き方に憧れて

受洗後、最初に買ったカトリックの本が「愛への道」。相応しい生き方をしてない。彼に倣う生き方が出来るよう心がけたいです。

河瀬監督作品「もがりの森」を見て-感想

2009-05-26 16:30:50 | Weblog
 「もがりの森」を見る。河瀬監督作品。

 冒頭、葬式の行列。最愛の人を失うとは?偲ぶしかない日常。
   「もがり」とは、故人を偲ぶこと。そして、…、喪が明け初めること。
葬儀の準備。木が切り倒される。生命の象徴。後に真子となって古木が語られる。錯木。
33年経って、故人は仏の世界に入る。3周忌を11回。3^11の哀惜。日記にして
何千ページにも。
「ほととぎす」「不如帰」。帰らざるが如く。ホームの名前に象徴されるテーマ。
「ホトトギス」
   喉に血反吐見せて狂い鳴く…。哀れ、山のホトトギス。
   (井上陽水さんの「危篤電報を受け取って」より)
血反吐見せる如く、茂樹さんは、33年間呟いて来た。「真子」「真子」…。
ピアノが妙に物悲しい。
習字の破壊。突き飛ばすのも、皆がそれ。誕生祝いすら…

同じ音を伝って、茶畑のかくれんぼが。-真千子さんと茂樹さん。
真千子さんも、喪である。…最愛の幼い息子を失った。
車の中、
   痛くないですか?
その感情だったのだろうか?
そして、森の導線、茶畑。(チャイム)。
帽子を飛ばし、かくれんぼをする。他愛ない遊びのうちに秘められた、それぞれの「もがり」。
左上に小さく消えて行く2人。オルゴールのような茶畑。

厳しい自然に最愛の人を失い、森の中で2人もまた、命を失いそうに。
でも、それによって、「もがり」が達成される。

強い風の田圃。崖崩れ。さ迷い出す2人。
茂樹さんを追って。でも、それは、最愛の裕樹を追ってる。
   何よ、これ。
西瓜。お互い相手の口に入れる。
和尚さんの会話。
   生きてるって、2つの意味があるんです。
同時に、この森の準備の儀式のように…。
でも、実際に、
   生きてるって実感ありますか?
さ迷い出た2人が、実感出来るまで、何と長いことだろう?

喪が明け初めるのは、2人にとってどの瞬間だろう。
そのため、再現すらする。シュールでさえある。
洪水。叫び、嗚咽、最も悲しいシーン。
でも、茂樹さんは戻って来る。泣きじゃくり続ける真千子さん。
そして、冒頭の場面、
   真千子さん。手を握ってやってください。温もりが伝わるでしょう?
温もり。
月夜。ダンス。白のワンピース。真子が…。最も幻想なシーンである。

ラストで、茂樹さんは日記を取り出す。そして埋める。
地面に埋まりたい。己も。永遠の茶畑。
真千子さんは、光に翳す。己を、玩具の楽器を。オルゴールを。
その表情は、崇高なまでに美しい。
2人それぞれの美しい埋葬の儀式。
茶と緑の大地。白い古木。
映像が細部に至るまで、非常に美しい。リアル。リアルを越えた真実。
日本映画史10に入る名作、と思う。

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2009-05-26 00:51:00 | Weblog


















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リラダン・残酷物語「闇の花」を読んで-感想

2009-05-19 17:50:59 | Weblog
 リラダン残酷物語、「闇の花」を読んで

 恋人同士が愛の表現として交し合う贈り物、花。
野を飾る可憐な花。ミツバチ達の蜜を提供する生命の象徴。
やがて、果実のなることを準備する母の象徴。

 いま花売りの娘たちがそれぞれ花篭を携へて歩きまはつてゐます。

そんな花が摘まれ、死出の送りに使われる。
葬儀で人々は、死者を悼み、様々なものを手向ける。
その中で最も盛大であろう装飾、花束。
野辺の送りが済み、人々が各々の家で、故人を偲んでしめやかにいる時、
そんな時こそ、墓場を商売とする人々の稼ぎ時である。

 このパリにさへ、或る種の陰鬱な周旋屋があるのですよ。それが豪華
な葬儀の管理人たちや、墓穴掘りとまで結託して、・・・

 今春、「おくり人」なる映画が注目を集めた。
故人への気持ち。だが、時代は、次だった。

 この花は陰惨な儀式がすんでしまへば殆ど・・・

きっと、恋い慕う人への情は、二度と会うことの叶わぬ人への絶望感に限
り無く近いのだろう。だから、あんなに心ときめく・・・

 そこはかとない微笑をうかべながらそれを受け取って、手に携へたり、
-胸のあたりの合わせ目に挿したりします。

恋人同士が花束を交わしている時、きっと葬儀がそこに執り行われるのでしょう。
だから、あんなに切なく悲しいのでしょう・・・

 この花を高価にあがなひ、その姫君に捧げるのです。

でも、描かれたものは、恰も過失の様な不備。弔いの場で使われたものが・・・、
そんな場で。

ボードレールを引く。
ここには、世の現象が結晶して揃っている・・・ 「憂鬱」より

「何れが真の彼女であるか」

真のベネディクタ。

 周囲の空気を理想で充たし、その眼には・・・

奇蹟の、栄光の、絶世の少女。だが、あっさりと、

 長く生きるには余りにも美しかった・・・

そして、埋葬。

 春がその香炉を墓地の中にまで・・・

と、突然

 今はなき彼女に不思議なまで髣髴たる・・・

会話。

 「・・ほんとうのベネディクタ・・」「・・否・・」

わたしの強い拒絶。だが、

 恐らく永久に、理想の墓孔に私が繋ぎとめられたほど。

(・・・部分は省略しました。参照してください。)

 この場には、あんなに美しかった花束が出て来ない。
彼女には、埋葬されてしまった彼女には、あの、リラダンの、花束、
たったそれだけで、甦ることが出来るのに・・・

では、花束を二つ用意せよと?

 結婚を墓場に例えたのは古い。いまや、「婚活」。復活の象徴。
されば、彼らは何を失っているか。それら、不幸な時代の若者たちは?
その酷い現実。

 亡霊の女性らは、かうして「死」の花を身に飾り

彼らに、まるで死を纏わせている。その日常。

闇の時代。

もし仮に来るとしても、
花束を携えて来るのは、どちらのベネディクタか?