大阪で生まれてない女

流暢な大阪弁だし大阪に在住なので、彼女はてっきり大阪出身と思っていた。

本人曰く、流れ流れて大阪に辿り着いた…などと歌謡曲みたいなことを言う。

まあ人生いろいろ。言いたくないこともあるだろう。無理に聞き出すなんて野暮なことはしません。

しかしながら世の中その野暮なことをずかずか平気でするやつがいる。

ところが彼女は待ってました…とばかりに語る。

私は詮索されるのが嫌いなので皆そうなのかと思っていたけれど、喋りたい人もいるんだなあ。

価値観の相違に感動。

話を要約すると、結婚に失敗し商売に失敗し何か仕事は無いものかと大阪に来た…らしい。

湿っぽく語るのではなく、カラッとさばさば語る。

吹っ切れている、ってよりはこのネタは喋り慣れている感じ。

府内で地元どこ？なんて話になったらこのネタを話さねばならないでしょうなあ。

捻くれ者の私はこのネタ自体が架空の作り話かもしれない…と思った。

うまく出来過ぎているような気がしたもので。

場を盛り上げるための彼女なりの気遣いとして素直に受け入れる。

そんな気遣い上手の彼女は私への手土産としてフォルクスワーゲンのチョコをくれた。



以前、クルマが好きだって言ったことを覚えていてくれたらしい。やはり気遣い上手だ。

この流れでその場の飲食費は私が持つことになる。高いチョコレート代になった。

帰宅して箱を開けてよく見たらミニカーが入っていた。ピンク。

おぢさんには可愛らし過ぎました。