ぼけの花

のらりくらり日々感じたこと。
自分のための記録。

プッチーニ:トスカ

2006-09-30 23:57:00 | おんがく
ローマ歌劇場日本公演2006 『Tosca(トスカ)』

トスカ:ダニエラ・デッシー
カヴァラドッシ:ファビオ・アルミリアート
スカルピア:ジョルジョ・スーリアン

指揮:ジャンルイージ・ジェルメッティ
管弦楽:ローマ歌劇場管弦楽団
合唱:ローマ歌劇場合唱団


簡単にストーリーを説明すると、

歌姫トスカと画家カヴァラドッシはラブラブ。舞台は1800年ローマ。当時イタリアはオーストリアの支配下にありつつも、ローマ法王領やシチリア王国等多くの地方に分裂していて、すったもんだ。そんな時、ローマ共和国の領事アンジェロッティがカヴァラドッシの前に現れる。牢獄から脱獄して来た盟友をカヴァラドッシは匿う。警視総監のスカルピア(敵役)はアンジェロッティはどこだとカヴァラドッシに詰め寄るが口を割らないため捕らえる。トスカはスカルピアに、どうすれば彼を助けられるかと問うと俺のものになれ、なったら逃がしてやろう、でも見せかけの処刑は必要だ。と言われ、自由の身になれる国外の通行許可証と引き換えに泣く泣くスカルピアに抱かれるかと思いきやナイフでぶっ刺して殺しちゃう(この時点でアンジェロッティは見つかって自殺している)。最終的にトスカにとっては見せかけのはずだった処刑は本当に行われ(スカルピアはいずれにしても処刑するつもりでいた)カヴァラドッシは射殺される。スカルピア刺殺で追われたトスカも城壁から身を投げる。

・・・というわけで、みんな死んでしまう悲劇のオペラです。
(何年か前にとある中学校がコンクールでこの曲をやることになり、「ちなみにこの話の内容知ってる?」と聞いたところ、「ハイッ!」と純粋な目で答えられ「あ・・・そう」としか言えなかった・・・)

で、途中途中に各登場人物の想いが歌われるわけですが・・・
トスカとカヴァラドッシが一緒にいてイチャイチャしてるシーンで歌われる歌よりも、
各々が想い通りにならない、言わば切ない状況の時のほうがグッとくるね。
そこに「歌」がある。ここにいない人を「想って歌う」っていうやつ。
トスカの歌う「歌に生き、愛に生き」と、カヴァラドッシの「星は輝きぬ」が、このオペラの
最大の聴きどころなんだけど・・・うん。よかったよ。よかった。
個人的には「歌に生き・・・」が本当に素晴らしかった!!!自分がオンナだからかしら?(笑)

この主役を演じているふたり。なんと、実生活において夫婦という間柄。
こういうキャスティングで聴けるのってなかなか貴重じゃないですか?
いやいや・・・スゴイですわ。

会場がNHKホールだったのですが、なにげに初めて行くホールでした。
3階席だったんだけど・・・遠いっっ!!
2階の天井、もっと低くしない?
オペラグラス持ってって(借りた)大正解。
そして字幕の小さいこと!!!!
ステージの上手下手にある電子掲示板みたいなのに日本語訳が出るんだけど、言葉見てると
ステージが見られない!映画みたいに両方一緒に見られないのがつらいところ。
今日お昼食べながら、ひととおり対訳読んでおいてよかった・・・。

オケも良かったです・・・が、ところどころのズレ(特に最後)が・・・残念。
クラリネットは、とてもわたし好みの音でした。
幕の間(全3幕)30分休憩あるんだけど、1階まで降りてオケピット覗いて超至近距離で
クラリネットの人見てきた(笑)。だって休憩中もずっとその人吹いてんだもん。
結構ピット内覗いてる人多くて、そのクラの人は「そんな見んなよ」みたいな感じで
ちょっとコワかった(震)。
わかったこと→クランポンだった。たぶん機種も自分が今使ってるのと同じだと思われる。
でもって、近くで聴く音と、わたしの席である3階で聴く音とが全く違うことにビックリ!!
なんであんなにピアノでもきれいに響くんだろう・・・。音の出方がとても美しかった・・・。
あの脱力加減が・・・美しさの秘密?いや、他にもあるんだろうけど。
あ~・・・あんな音になりたい・・・。

それにしても、歌は良いね。
高い音から低い音に降りてくる、その「間」がいいです。
これは弦も出来るけど、管は普通出来ない・・・というか、なかなか難しいものです。
是非自分も、その「間」の部分で音楽が出来るようになりたいです。

無性に楽器が吹きたくなってきました。
でもきっと出てくる自分の音に幻滅するんです(苦)。
こうやって理想と現実の差は開いていく・・・。
でもでも!
理想(目標)あってなんぼのものだから。いいじゃないか!
それに近づけていく楽しみ(苦労?)が、わたしを待っているわ~♪

チケット高くてかなり迷ったけど・・・やっぱり聴きに行ってよかった!!!