くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

自我流開眼

2021-11-29 23:01:00 | 雑記
40代に読んだビジネス書に《一万時間の法則》というのがありました。ある分野のエキスパートになるには1万時間の練習・努力・勉強が必要だという理論。

一日1時間で約30年。
毎日8時間週5日で5年。

「一廉」、「達者」、と呼ばれるまでには、計り知れない努力が必要ですが、それを数値化したのは、いかにもプラグマティックで、わかりやすい。

 それに沿って振り返ってみれば、本格的に絵と笛を再開して間も無く10年。週3回毎回3時間として5,000時間。このままならあと10年。ピッチを倍に上げても5年。果たして余命が足りるか?

 待てよ。かの世阿弥は『風姿花伝』で年代別の奥義伝習の極意を解きましたが、それはオギャーと生まれた時から芸を極めることが定められていた〈一子相伝〉の世のこと。食う寝る憩う以外はひたすら芸に打ち込む運命。生まれ育ちに関わらず、誰でもいつでも何でも始められる民主主義の世では、思い立ったが吉日。「もうやめた!」と諦めなければ、いつかは〈自家薬籠中〉とすることも不可能ではありません。

 この先は〈好きこそものの上手なれ〉と信じて、我流 =《久世樹流》を貫きます。

(ヒントby  西平直『世阿弥の稽古哲学』)




秋から冬へ

2021-11-25 19:37:00 | 作品
秋の終わりは物悲しい。

今日の箱根大観山は、青空は素晴らしかったが、風が強く、車中から富嶽と駒ヶ岳を走り描き。標高1,000mを下って、いつもの真鶴岬を鉛筆スケッチ。

帰宅して、相模湾の生シラス丼と寄せ鍋で、熱燗2合。

冬の始めは心暖かい。









『外面・内心』

2021-11-24 20:58:00 | 作品
《外面如菩薩内心如夜叉》
〈げめんにょぼさつないしんにょやしゃ〉

 「外面は菩薩のように美しく柔和だが、心の中は夜叉のように残忍邪悪なもの」 

 古の仏教で、修行中の僧が女人に幻惑されぬよう戒めた格言とか。

 ジェンダーフリーの今なら、《外面如夜叉内心如菩薩》とでも言い改めないと、バッシングかも⁇





『柚子たわわ』

2021-11-23 22:30:00 | 作品
〈裏年の柿を尻目に柚子たわわ〉【久世樹】

 猫の額の我が家の庭の二本の果樹のうち、昨年大豊作だった柿は今年はたった2つだけ。片や花柚子は昨年に続いてたわわに実をつけ、鍋にサラダにユズレモネードにと大活躍中です。

 柚子は、俳句の世界では秋の季語だとか⁇  意外でした。