くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

春を待ち切れず

2021-02-28 17:09:00 | 雑記
余寒あれど若木はそれを待ち切れず【久世樹】



いつもの多摩川はまだ冬の景色


白鷺も今日は独り


季節外れの氏神様には詣でる人も無く


古木はまだ硬くじっと身を固めて


でも、生まれて間もない若木は、もう待ちきれず・・・


春真っ盛り❗️

多摩川さらさら

2021-02-18 22:59:00 | 雑記
多摩川に さらす手作り さらさらに 何そこの児の ここだかなしき 【万葉集 東歌】

 (原文)多麻河伯尓 左良須弖豆久利 左良左良尓 奈仁曾許能兒乃 己許太可奈之伎 

(現代語訳)多摩川にさらす手作りの布のように、なんでこの子はこんなにも愛おしいのだろうか

我が街の我が多摩川の浅き春【久世樹】




春の虹

2021-02-16 21:45:00 | 雑記
昨日の西湘からの帰り道、大自然のスペクタクルに、江戸時代の俳人・滝瓢水の句を思い出しました。

“浜までは海女も蓑着る時雨かな”【瓢水】

禅僧 「どうせ人はいつかは死ぬ
ときおり災難にも遭おう
その時には蓑を纏って身を守り
最期まで我が身を粗末にすまい」

海女 「何を言っちょるか
わしゃ生涯現役の海女じゃ
雨なんぞもったいない
肌を濡らすのは海だけと決めとるんじゃ」

 その心根に、一句

荒海や土砂降り止んで春の虹【久世樹】