くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

『老銀杏』

2019-02-23 16:04:08 | 作品
雨予報が一転晴天へ。今日のスケッチ例会は予定通り府中の大国魂神社へ。

参道の老銀杏をチャコールとパステル鉛筆で素描しました。切り詰められた枝先には無数の孫枝(ひこえ)が。銀杏ではないですが、一休和尚のこんな歌を思い出しました。

「としごとにさくや吉野のさくら花 樹をわりてみよ花のありかを」

折しも境内では婚礼の祭列が。雅楽の笛に先導された白無垢の花嫁に、しばし手を止めて見とれました。




2月20日

2019-02-21 08:14:11 | 雑記
午前中は久しぶりの人物画デッサン会。私は男性モデルは初めてで始めは戸惑いましたが、さすがはプロのコンテンポラリー・ダンサー、引き締まった身体としなやかな身のこなしに、女性参加者の瞳はいつになく輝いていました。

午後からは知人のスケッチ展「多摩を訪ねる」を観に小平のガスミュージアムへ。武蔵野の面影を残す広い敷地に建つ当館のシンボル=レンガ造りのガス灯館は、1909年築の東京ガス本郷出張所を復元したものだとか。館内には明治以来身の回りにあった灯りや調理や暖房器具などの展示が所狭しと並び、しばしあの頃に帰りました。

知人の作品はご本人の了解を得ていないので掲載は控えますが、清瀬を流れる空堀川の川面に映る初夏の花を描いた、お人柄そのものの清楚な水彩画でした。



「あわれ」

2019-02-17 21:10:41 | 雑記
5歳になる次男の長男が、愛犬”リリー”を連れて遊びに来ました。

私が室内犬はあまり好きではないので、いつもはペットホテルへ預けてくるのですが、15歳の後期高齢犬で、最近は脳梗塞を発症して動くこともままならないのだとか。

「大好きなトット(私のこと)にも会いたいし、大好きなリリーも置いていけない、どっちかと言われたら死んじゃう」と泣いて訴えたのだそうです。

やまとことばの『あわれ』は、こんな幼な子のこころにも芽生え始めていると知った驚きと、明日は我が身と気付かされた愕きから、一句。

老犬と 爺(じいじ)と童 水温む(久世樹)


手元の静物

2019-02-09 21:39:35 | 作品
今日のスケッチ例会は大雪予報で中止に。やむなく、集まれる仲間だけで駅前の公民館で静物画を描きました。

描き終えて町へ出ると、朝方の薄化粧も消えて傘も要らず、馴染みのサイゼリアで心ゆくまでランチトークを楽しみました。

月2回、気心の知れた仲間たちと童心に帰ってお絵描きに夢中になれるこの会を、これからも途切れることなく続けていきたいと切に思います。