子供の頃からドガ やルドンのパステル画が好きでした。これまで人物画や散歩スケッチに手軽なパステル鉛筆を使ったことはありましたが、今回初めて本格的にソフトパステルで四切サイズ(新聞紙大)の風景画を描いてみました。
今まで描き慣れた透明水彩と比べて、何度も塗り重ねができること、色が鮮やかで豊富なこと、何より白が使えることに、新たな表現の可能性を感じました。欠点は、顔料の粉末を棒状に固めただけなので定着が弱く描いている間にもポロポロこぼれ落ちること、よって指や周囲がカラフルな粉で汚れること。でも、前者はフィクサチーフ(定着液)をこまめに吹き付けることで防げ、後者は水溶性なので水拭きできれいになるので、油絵具よりは扱いやすそうです。
絵筆ではなく、指先で直につまんで描く感触は、子供の頃手にしたクレヨンやクレパスの記憶を甦らせました。さらに数万年遡って、洞窟の壁に燃え殻の炭や鉱物で描いた旧石器時代の原始人にまで通じる〈絵心〉を掻き立てるようです。どうやらこれは、歳相応の幼児返りor先祖還り⁇
「落書きせんとや生まれけむ」