くせじゅ文庫

久世樹(Que sais-je?)の画文集です。

2冊目の画帖の描き納め

2022-09-30 12:26:00 | 作品
今日で9月も終わり。2冊目の《久世樹画帖》も、能登・信州の旅の土産を描いて、頁が尽きました。明日からの新たな3冊目も、身の回りの小さな秋を、倦まず弛まず、〈写生〉に励みます。

 私のめざす〈写生〉とは、「臨画」(手本を模写すること)や「写真画」(写真を見て描くこと)ではなく、事物をじかにみて描く「対看写生」(drawing from nature)で、〈スケッチ(sketch)〉とも呼ばれます。絵描きのはしくれの矜持です。












《碌山館》

2022-09-22 22:54:00 | 作品
嵐と追いかけっこで、5日間で1,100Km走った翌日は、さすがに昼過ぎまで眠りこけました。コロナも嵐もうまくすり抜けて、初期の目的以上の良い旅ができたことに、八百万の神々に感謝します。

 記憶の醒めないうちに、この旅で出会った人びとへの想いを込めて、もう一枚描いて、旅の締めくくりとします。




《西海子の海》

2022-09-14 15:37:00 | 作品
〈西海子(さいかち)の小径の先は秋の海〉【久世樹】

 小田原城下、白秋童謡館や小田原文学館がある旧武家屋通り・西海子小路(さいかちこうじ)を抜けると、目の前には雄大な相模湾が広がります。

 今では有料道路や防波堤などコンクリートばかりが目につきますが、秀吉が20万の軍勢で8万の北条を攻め滅ぼした頃までは、きっとこんな景色だったんだろうなあと空想しつつ、今日の散歩スケッチ。




《無言館》

2022-09-13 15:47:00 | 作品
〈無言館秋の実りを噛み締めて〉【久世樹】

 先月の「24時間テレビ」で放送されたノンフィクション・ドラマ『無言館』。コマーシャルを飛ばして録画したものをもう一度観ながら、初物の「わけありりんご(サンつがるときおう)」と「路地物の極早生みかん」を《画帖》に描きました。観終えて、皮を剥いて口に含んだら、酸味が口いっぱいに広がりました。
 
  ドラマ『無言館』、画商と画家と遺族のひたむきな絆から、自由を奪われて戦争に散った画学生の無念が胸に残りました。BGMに流れた”Have You Ever Seen the Rain?” も、意味を噛み締めながらき聴き返しています。