amazon prime だったので翌日に届いた。本体以外の付属品としてはプラスチック製のフィルター、色温度を3200Kに変換するためのオレンジ系のものと無色のものの計2枚、光量をワイヤレスで操作するためのリモコン、それと電源コード。
電源コードのプラグはヨーロッパ仕様のままなので自分で交換しなければならない。北米仕様なら日本と同じはずなので主たる輸出先はアメリカよりもヨーロッパなのだろうか。説明書は中国語のみ。複雑な機械ではないので問題はないが、背面の<READY>というボタンの用途だけがわからない。説明書にはE-A-Sと記されているが中国語で意味不明。輸出するならせめて英文も入れて欲しい。付属の調光リモコンは作動しなかった。
価格が価格だからあまり期待していなかったが実際に使ってみると意外に本格的な作り。フォーカシングの操作も問題なくバーンドアもしっかりしている。色調は、ホワイトバランスをカメラで色温度指定した場合5500Kあたりでバランスがほぼ取れるが若干マゼンタ寄りの傾向。(Nikon D800E/PC-E Micro NIKKOR 85mm 使用時)多灯ライティングの場合は光源用フィルターでの補正が必要かもしれない。光量については公称ハロゲン1kw同等とされているので手持ちの500Wハロゲンソーラースポット(RDS製)とメーターで比較計測してみた。このLEDスポットの最小照射角はハロゲンスポットほど絞れないので中心部はハロゲンの方が明るいが、最大照射角(ともにほぼ同等)ではLEDの方がハロゲンより半絞りほど明るく まずまずの結果であった。
タングステン機器では不可能だった光量調整がダイヤルだけでできるのはとても便利で、LEDの寿命が未知数であることを除けば職業的現場でも十分に使用できる製品であると思う。
フィルム撮影の時代、スタジオ内での商品撮影の光源には主としてタングステンライトを使っていた。デジタルカメラでの撮影が主流になりタングステン機器は何かと不利になってきていたので、デジタル移行に伴い主光源を蛍光灯に切り替えた。大型スタジオ以外では照明光源はストロボが定番だが細かいコントロールが面倒で、光り物などの撮影に向かないからだった。蛍光灯は定常光で御し易いが、スポットライトというものがなくタングステンのような細かいコントロールはやはり難しいので、こんなものを作ってスポットの代用として使ってきた。
近年、撮影用のLED照明がいろいろ出てきている。面光源ばかりではなくタングステン時代に重宝したソーラースポット(龍電社/RDSの商品名)型のものも見かけるようになったが15万円を越す価格で試しに買うには高すぎて手が出ない。そんな中、先月Amazonで3万円代半ばのLEDスポットを発見し、思わずポチってしまった。(つづく)
撮影にPCを連結して使うようになり、外部でカメラを三脚に乗せて使用する際に繋がったPCの置き場に困る事がたびたびありました。ノートPCの頃はカメラ付近の椅子とかテーブル、さもなくば床に置くしかありませんでしたが、タブレットに変わってからこれが三脚につけられれば良いのにと思っていました。取り付けるパーツを探してもまだその頃にはこのマンフロットの製品しか見つからず、またそれが高価なのでそのままになっていたのでした。今回、最近のタブレットの機種を調べているときにポールなどに取り付けるホルダーがいろいろ売られているのをAmazonで見つけ、その中から、そのままでポールに取り付けができ8インチにも10インチにも使えるこれを買ってみました。送料も含めて2,000円未満の安価な商品ですが装着してみるとポール状のものには結構しっかり固定できます。DELLの10インチは重量があるので移動の時はいささか不安を感じますが、軽量な8インチタブレットであれば三脚ごと振り回しても緩んだりする事はなく、十分に役目が果たせそうです。
一緒に使うモバイルバッテリーを収めるのに100円ショップでフック付きポーチとマジックテープの2点を購入。また、吊り下げ用に鞄のストラップリング(東急ハンズ85円ほど)、タブレットのターミナル保護のためにL型変換コネクタ(540円:こういうものが高い・・)を購入しました。
セットした状態。ポーチはANKERのバッテリーにジャストサイズでした。
さて、実際にV820W CH とカメラを接続しNikon Camera Control 2 を使用してみます。
8インチのモニターではカメラの操作パネルが天地いっぱいに表示されてしまって、画面下部にタスクバーが表示されると操作ボタンが隠れてしまいます。これを回避するには<設定>から<個人用設定><タスクバー>に進み「デスクトップモードで自動的に隠す」か「タブレットモードで自動的に隠す」のいづれか、または両方をONにすればOK。
またCameraControl 2 とViewNX-iを交互に使用する時は画面を左から右へフリックすれば選択画面になり切り替えは簡単にできます。撮影した画像の確認はViewNX-iで行う。通常は撮影すると自動的に起動します。
<表示>から「イメージビューアー」を選びすべてを表示させるとこの画面。さすがに文字は読みづらい。表示された画像をダブルタップするか<表示>から「全画面表示」を選ぶと大きく表示されます。
画像は4×5インチのポジフィルムとほぼ同じ大きさで表示され確認用には十分でしょう。フィルム時代に原稿として4×5サイズが多用されていた理由は、解像度の有利さは当然ですが、この大きさならルーペを使わずに確認ができるという利便性からの方が大きかったと思います。
カメラで撮影されたRAW画像がNX-iに表示されるまでの時間はDELL Latitude10のおよそ半分で済んでいて、確実に処理が早くなりました。また、DELLのIPS液晶表示は綺麗には見えるもののコントラストが高く、そのままでは暗部が潰れて確認できないことが多かったのですが、V820W CHの階調はなだらかで暗部も十分に表現されていて、懐かしき4×5ポラロイド的使用が主である私の用途には申し分ありません。
また、これはニコンのソフトウエアの問題ですが、ViewNX-iは一部の操作がタッチパッドに対応しておらず、フリップ、スワイプなどの操作がうまく反応しません。部分拡大等の細かい操作にはマウスが必要となりますが、私は撮影中にこれらの操作をすることは少なく、マウスなしでもさほど不便はありません。
ONDA v820w ch はテザー撮影用のPCとして十分な能力があると思います。小さい、軽い、安い、と三拍子ですがやはり不安点も。私は本体に挿し込んであるSDカードに撮影中の画像のバックアップを送っているのですが、起動時にSDカードを認識しないことが時々あります。カードを挿しなおせば必ずマウントされるので大きな問題ではないけれど起動時にマウントされているか確認する必要が生じます。どうもこれは本機がもともとAndroidとのDualBootモデルだったのが原因のようですが、何か回避方法がないか探っているところです。
他に不具合としては、私はSkype もCortanaも使うことはないので構わないのですが、マイクが気まぐれにしか起動しません。これはWindows10のアップデートのせいかもしれません。Macと違い、Windowsはユーザーの意向など無視して勝手にアップデートされるので、これによって不具合が生じることも多いです。ONDAの販売店では購入時に同封された説明で「ネットで検索してアップデートされないように対処してください」と言っているのですが、そうするにはどうもレジストリをいじらなければならないようです。これは面倒なので、まあしばらくはこのまま使うことにしましょう。(つづく)
スタジオ外部でのテザー撮影にDellのWindowsタブレットLatitude10を使い始めてすでに3年半。延命を図ってきたものの、さすがに最近は処理にもたつきが感じられるようになってきました。そろそろ切り替えの時期かも。Android仕様のタブレットは安価な機種がいくつもあるけれどWindows仕様のものは比較的に少なく価格もあまり安くなっていない。(Microsoftのライセンス料が原因?)そんななかAmazonでWindows10と最新のAtomプロセッサを搭載しているというONDA V820W CHというのが目に止まりました。いわゆる<中華タブレット>で本来、言語は中国語でAndroidとWindowsのデュアルOSなのを販売店が日本語化しWindows専用としたものが送料ともで11,980円。モニターは8インチだけど、現在使用中のDELLのタブレットが5万円だったのを思うとコストパフォーマンスはすこぶる高く、ユーザーの評価も良かったのでこれを入手することにしました。
販売店は日本国内の会社で在庫を持っていて発注後タブレットはすぐに届きました。起動には問題なけれど・・・blue toothが見当たらない。デバイスマネージャーにもハードウエアの表示は全くなくてソフトウエアの不具合?それとも組み立て時に部品を付け忘れた? 販売店に直接連絡すると初期不良としてすぐに交換してくれたので事なきを得たけれど、中国製品は買う方も売る方も心構えが必要な事を再確認させられるのでした。
目的は本機上でニコンの Camera Control 2とView NX-2 をスムースに作動させることですが、それには数点の周辺パーツが必要でした。
まず接続の問題。この種のタブレットの入出力はスマートフォンと同じ仕様で、独立したUSBポートがなく充電ポートと兼用なのでカメラを接続するにはポートにUSB機器を接続するコード(OTGコード)が必要。バッテリーで使用するときはこれだけでよいけれど問題は駆動時間。小型軽量のタブレットのため電池の容量はあまり大きくないので通常の連続使用ではおそらく3時間も持たないでしょう。スタジオ外部で終日の撮影を考えると8時間くらい維持させたいが、モバイルバッテリーとカメラを両方接続して充電しながら撮影することはこのままではできないのです。そこで給電OTGケーブルというものを利用することになるのですがこれがどうもスッキリしない商品なのです。
本来は接続したUSB機器に電源を供給するためのものでタブレット本体に給電はできないはずですが、購入者のレポートをみるとそのままで本体に給電できた人や、できなかった人や、ポートの変換アダプターを挟むとできるという人などまちまち。一応モバイルバッテリー(Anker PowerCore 10000)、給電OTGケーブル(PCATEC Galaxy/NOTE/スマホ用OTGケーブル)、それに変換アダプターも用意していくつかの方法を試してみました。アダプターを挟む事によって結線の状態が変わるそうなのですが私の場合はアダプターを挟んでも挟まなくても本体に給電される事を確認。接続方法としては、タブレットを新規に起動してから、電源に繋いだOTGケーブルをタブレットに接続し、充電ランプの点灯を確認してUSB機器を接続するという手順なら問題はないようです。ただ、起動する前から電源が入ったケーブルを接続するとUSBは認識されないので注意。WEBの情報によれば電源からは2A以上の供給でもタブレットに給電される量は500mA程度らしいので、タブレットの使用中はバッテリー残量が増加する事はありませんが、休憩時などにスリープ状態になれば充電量はゆっくりですが増加していきます。総体としては維持できる時間は確実に長くるのでこれでなんとか7、8時間ほどはしのげるではないかと思っています。(つづく)
カメラ店のNさんから蛍光ランプの6灯ユニットを頂いた。それも2基。お店に証明写真用にライティングを組むのに使ったバンクライトキットのだ残り物ということだが、昨今の常識として当然中国製。2基の構造はほぼ同じだがメーカーが異なるようで大きさが少し違う。スタジオの隅っこで眠っている「スカイパン」に口径が合いそうだ。「スカイパン」というのは龍電社(舞台、スタジオ用照明機器のメーカーでバブルの頃にRDSと改名するが後、東芝に吸収される)の呼称だったと思うが、使用する予定のスカイパンには「丸茂電機」の名前が付いていてノブにも丸茂のマークが付いている。スカイパンは他にもう一基あって、寸法も構造もも全く同じなのだがこちらはRDSのマーク。こちらの方が新しいのだが、どのような経緯でメーカー名が違っているのだろう。
蛍光灯用ユニットとスカイパンとを両方共バラして試行錯誤するうち、双方の一部を切断するなどすれば組み込み可能なことが分かった。「スカイパン」はオパライト形式の灯体で本来は先端に反射鏡が蒸着された電球を装着して使用する。ソフトだが芯のある光が得られるので、白ホリゾントでの中~大型商品の撮影には重宝したものだった。この光を再現するには凹面の反射板が必要で、またダイソーで代用品を探すことにする。20cmのステンレストレーがあったので、まずはこれで組んで見る。
しかしトレーがちょっと小さい。電球から光が直漏れして影が乱れる。どうしたものか。
(10月20日 追記)
その後いろいろ試してみたものの、どうもうまくいかないのでそのままになっていたが、ダイソーの前回とは違う店舗でもう一回り大きいトレーを見つけた。値段は同じく108円。取り付けてみると大きさはちょうど良いが球体ではないのでエッジ部分では若干まだ直漏れする。そこで、たまたま他の用途で使った乳白のプラダンの切れ端が手許にあったのでこれを巻いてみた。
結果はまずまず。長らく使い道のなかったマンフロットのスタンドに載せてやっと使用可能となった。ディフーザーをセットしづらい大きな商品の撮影にはストレート光で使えて便利である。
[メタルアンブレラを使ったストロボ光によく似た光質だ ]
廃番になった岩崎電気のものと同じくらいの大きさのリフレクターが東芝ライテックにあったのでこれも使ってみることにした。、このモデルは安く売られているのでこれも近々廃番になるのかも。使用する48wランプには奥行きが少し短くそのままでは蛍光管が飛び出してしまうので根元を延長してやる必要がある。ダイソーで見つけたステンレスボウルがぴったりだったのでこれを加工して使う。
岩崎電気のものより外観の見映えも良く、使用ランプに向いた形状で梨地処理もされていて配光が滑らかだ。
キングコード付きソケット:5.000円
東芝ライテック高天井用反射笠狭照型 SN-4042A 1,490円
延長用ステンレスボウル 108円
今もスタジオで主力として使っている自製ライトだがもう少し小型のものも欲しい。市販の蛍光灯ライトはバンクライト型ばかりで指向性のある光は作りにくい。面倒だが自作するしかないのだ。現在の自製ライトのベースになっているのは浅沼商会のランプホルダーで、堅牢な雲台とリフレクターを固定するリングが付いており蛍光灯ライトを自作するのには最適なのだが、調べると既に販売終了になっていた。ネット上を数日間探し回ってようやくAmazone で新古品の出品者を発見。@5,000円。前買ったときよりは多少なりとも安いかな。正式な商品名は「キング、コード付ソケットⅡ」だったね。覚えていた名前があやふやだと検索に手間がかかる。今使っている岩崎電気のリフレクターも廃番となっていたが、今回は小型にしたいので下のサイズのものにする。
組み上げるとこのようになった。取付穴は残念ながらキングの器具に対してわずかに大きいので固定するにはワッシャ状のものをかませる必要があったがバランスよくおさまった。使用するランプだが、今使っている48wは長すぎてはみ出してしまうので新たに30Wのものを購入。リフレクターは反射面が適度な梨地になっていて配光は滑らかで理想的。ジュエリーなどの小物の撮影に活躍してもらおう。
キングコード付きソケット
5.000円
岩崎電気アイエジホーSAN101
1,923円
日動トルネードバルブ30w F-32WT
762円
固定用ワッシャ代用コンセントカバー
216円
撮影時、被写体の影や映り込みを調整するのに使用するものの一つに「ディフーザー」があります。光を拡散するための単なるシートですが、素材は紙、布、プラスチックなどいろいろで、大きさもまちまち。以前は大判のトレーシングペーパーを使うのが一般的でしたが、プラスチック製の「アートトレスター」通称「アートレ」が発売されてからはスタジオでの商品撮影ではこれが主流となりました。プラスチックフィルムなのでトレーシングペーパーのように破れたり、紙のムラが商品に映り込んだりすることもなく、小さな商品の撮影には大変使いやすいアイテムです。
大型スタジオでは撮影する商品も大型でディフーザーも大きなものが必要になりますが、多くは紗幕と呼ばれる布製のものが使われています。布を繋いで大きな面にしているので縫い目があるのですが、撮影するものも大きいので商品に映り込んでもあまり目立つことはありません。問題があるときはアートレでは小さいので大判のビニールシートを使う場合もあります。
私の場合、クライアントの倉庫やショールームなどにスタジオを設営して大型の商品を撮影する際は機材のほとんどを搬入しなければなりません。一通りのものは用意するのですが撮影の内容によっては3m以上の大判のディフーザーが欲しいときが度々あります。でも運搬と設営の手間を考えると面倒で、現場では大抵バウンスライトで代用してしまいます。しかし、バウンス光の微細なコントロールは難しいので、次回に備えて運搬しやすい大型デュフーザーを用意することにしました。幸いディフーザー枠はマンフロットのパイプ組み立て式のものを持っていましたのでこれを使えば良いのですが問題はシートに何を使うかです。アートレでもいいのですが、現場の状況を考えるとできれば使い捨てにしても惜しくない素材が望ましい。そう思いながらホームセンターで探すと「ホワイトシート」というものがありました。90cm幅ですが50mロールで2千円ほど。値段は申し分ありません。お花見の場所取りや警察の家宅捜索などでおなじみの「ブルーシート」の白バージョンのようでブルーシートと同様に布のような格子目がありますが、大型商品の場合は問題になることはあまりないでしょう。まずはこれで試してみることにしました。
私は業務上の撮影は全てRAW形式で画像を保存していますので、D800Eの36メガピクセルは通常の撮影ではいささか大きすぎるきらいがあります。普段の撮影においては12~18メガ程度あれば十分ですので、EOS 1Ds mk3に代わってスタジオスタンドに常設しておくカメラとして24メガピクセルのNikon D600を購入しました。ニコンではフルサイズフォーマット機としてはエントリークラスの位置づけになっているもののプロ用のサブカメラとしても十分な画質と機能を備えています。このカメラが15万以下で購入できるというのは10年前から考えると夢のような話です。
さてスタジオに設置して使い始めてみるとやはり不都合がいろいろと出てくるもので、順次改善をしていかなければなりませんでした。
最初の問題。スタジオでMacに繋いだところPCからカメラを操作するためのニコンのソフトウエアCameraControl Pro2が作動せず、D600ではバージョンの更新が必要でした。ところが、このD600に適合するバージョンからPowerPCのMacは切り捨てられていたのです。
ではこの際、年内にも発売される最新のMac Proに全部入れ替えてしまおう、などとは全く思うことなく、現在当社の最上級機種である初代のMac Pro ( 2006年型)をスタジオ撮影用に下ろして、PowerMacG5はついに引退。そして主力機に今のよりもうちょっとだけ新しいMacProをさがすことにしました。(つづく)
CanonのTS-Eレンズをフラッシュ内蔵型のEOSに装着した場合、全てのTS-Eレンズにおいて鏡筒が発光部の張り出し部分にぶつかって動作が一部制限されてしまいます。ティルトは問題ありませんが最大にライズ(上方向にシフト)するとレボルビングができなくなります。ニコンのPC-Eレンズも同様だと思っていたのですが85mmをD800Eに着けた場合はどの方向にシフトしても全く問題なく使うことができました。制限があると聞いてましたので45mmや24mmでは問題が生じるのかもしれません。このことについてニコンのサイトにも詳しい情報は載っていないようです。
24mmについてはYouTubeにこのようなムービーが載せられていました。これを見るとノブが干渉していますが、ニコンではこのノブを小さいものに交換するサービスを行っているようです。
表題はニコンSLRカメラ用の『アオリ』レンズの名前です。今年のはじめ、Nikon D800Eのシステムを組んだ時に本当は真っ先に欲しかったレンズなのですがなにせ定価で315,000円という値段から購入には至りませんでした。EOS用にCanonの同様のレンズを以前から使っていますが、これは仕事をデジタルに移行したときに最初に買ったレンズで、今でもスタジオ内では最も使用頻度の高いレンズになっています。購入当時はこのCanon の「TS-E」とニコンの同種レンズである「PC」はほぼ同じ価格帯だったと思いますが、ニコンは2008年にデジタル用としてリニューアルを行い「PC-E」になった際にこのレンズは10万円以上も値上げされ、大きく価格が開きました。ちなみにTSとはTiltとShiftのことで、PCとはPerspective Controlのこと、Eは電子制御のことを指します。
前置きが長くなりましたが、先日このニコンのレンズをやっと入手しました。オークションでの購入でしたが時節が良かったのか新品同様の品が11万円代で落札でき、大変幸運でした。
このレンズは一般的に「アオリレンズ」と呼ばれていてフィルム面(デジタルカメラでは「センサー面」)に対してレンズの位置と角度を変えることができます。この機能は昔から使われている「ビューカメラ」の基本的な機能で、ビューカメラに装着されるレンズは基本的にすべてアオリレンズになります。フォーカスの合う範囲や、被写体の形状をコントロールするのがアオリを使う目的ですが、フィルム時代には35mmカメラの小さなスクリーンでは結果の確認が難しく、アオリの必要な撮影現場ではほとんどビューカメラが使われてきました。時代はデジタル撮影に変わり、撮影結果をすぐに確認できるようになって、アオリを用いた撮影が小型カメラでも容易にできるようになりました。
ネットの記事などを見るとアオリレンズを購入する目的は昨今流行りの「ジオラマ風写真」を撮るためというのがいちばん多いようです。まあ、本当にこのレンズを必要としているプロが書き込みをすることはあまりないからなのでしょうが、ジオラマ風写真はこのレンズで撮るより後からデジタル加工したほうがずっと上手くできるのでは、と思うのです。買ってはみたものの他に使い道もなく結局は使いこなせずに売却する、ということが多いのではないでしょうか。
そんなに本数が売れるとは思えない高価なアオリレンズが中古市場に結構出ているのは、こういった背景があるような気がします。そうだとすれば、程度の良いアオリレンズが安価に入手できるのはジオラマ風写真を世に流行らせた写真家さん(4×5ビューカメラでフィルム撮影されていたと記憶しますがお名前は失念)のおかげで、その方に深く感謝いたさねばなりません。
タブレットPCの軽さを最も実感するのは前出のように外部での撮影の時です。ロケ現場での利便性はもうノートPCにはとても戻る気になれない程ですが、今のところこの用途での出番はまだ2回で少々さびしい。では他にタブレット向きの使い道はないものかと。そうだ、以前から気になっていた「hulu」の視聴があることを思い出しました。 PCで視聴する場合、ノート型はテーブル上で結構なスペースを占領するのですが タブレット型は直立させれば僅かなスペースで済みます。でも、それにはタブレットを支えるスタンドが必要になります。Latitude10は充電用ポートが下部にあるので100円ショップで買ったスタンドでは視聴しながら充電器を繋ぐことができませんし、映画を見るには角度が寝すぎています。立てた状態で下部にコネクタを繋げることのできるスタンドもあることはありますが結構高価なので、なにか代用品はないかと納戸を探すとスチール製の本棚用のブックエンドを発見。これをアルミの針金で繋げるとこんなのが出来ました。旧いカメラの補習用に買ってあったポリエチレンチューブを傷防止として着け完成。使い心地は上々であります。
自社のスタジオでは、撮影した画像の確認、データのバックアップ、またはライブビューのために、カメラは常時、旧いPoweMac G5と接続してあります。 外部での撮影の際はMacBook Proを持参するのですが、運搬時の重量と2時間程しかもたない電池に不満を感じながらも他によい手はなく我慢して使ってきたのでした。
iPadが出たとき、対応するカメラコントロールアプリを期待したのですがコンシューマー機向けのものしか用意されず、業務での使用はやはり無理でした。Android Tabletというのももありますが、これも同様。しかし、今年になってWindows8 Tabletなるものが登場しました。これだと今使っているCanonのEos Utilityも、NikonのCameraControl Pro2も使用可能で、基本的にはすべてのWindowsアプリケーションが使えるのです。総じてどのメーカーの機種も電池の持ちは良く、8時間程の連続使用ができるようです。私は、標準サイズのUSBポートを持ち電池交換のできるDellのLatitude10 (standard)を選択しました。
使ってみるととにかく軽い。いままでロケ先での撮影中に撮影場所を移動するには、MacBookのリッドを閉じ、ACアダプターを外し、USBコードを外して、機材を数回に分けて運ばなくてはならなかったのですが、タブレットの場合はそのまま小脇に抱えて三脚、カメラごと一度で移動が可能になります。またフル充電してあれば撮影中に電池切れすることはまずないのでいちいちACアダプターをつなぐ必要もありません。スタジオでも俯瞰撮影などにライブビューを使う場合、カメラの横でモニターできるメリットは大きく、ディスプレイの視野角も広くて「レチナディスプレイ」ではないMacBookより視認性に優れています。
使われているCPUはさほど強力なものではありませんが、カメラのコントロールには十分な性能だと思います。試しにRAW現像をやってみましたが1枚処理するのにも結構時間がかかり、やはり重い処理はデスクトップ型にまかせ、このタブレットには軽さを武器に活躍してもらいましょう。
20年以上も使ってきた大型のアンブレラがいかにもボロくなったのでこのたびやっと新調しました。私は商品系の撮影が主なので使用頻度は低かったのですが、撮影のデジタル化以降、それまで大型スタジオで撮影していた家具関係の仕事はほとんどメーカーのショールームなどで撮るようになり、光源はストロボがメインとなり、従ってアンブレラの出番も多くなったという事なのです。そろそろ新調しなくてはと思いながらも大型の傘はけっこう値が張るので、づっと騙し騙し使っていたのです。
そんなとき玄光社の「コマーシャルフォト」4月号に「銀アンブレラ」の記事を見つけました。別に目新しいものではなく、昔私が買った「フレンチバルカー」には標準でついていました。当時の名称は「メタライズドアンボレラ」。今も本体ともに使用できる状態で手元に残っています。
関連記事はこちらにありますが、150cmサイズで「価格も18,900円と手頃」なのだそうです。しかし私は「やっぱりそれ位はするんだ」と思い、もうちょっと安く売ってないかとネットを漁って見ました。
すると、外見はほとんど同じものがオークションサイトでみつかりました。新品。2本限り。即決のみで送料込みの4,500円。出品者はプロ機材を専門に扱う方のようです。
落札して手元に届くと、記事の商品とどこが違うのか良くわかりません。骨を支えるピンが1本抜けていましたがそれ以外は問題なく、作りは結構しっかりしています。この傘は不良品の処分だったのかもしれません。ピンは手持ちの割ピンを刺しておきました。今やプロ機材もほとんどが中国製。高くても当たり前だったプロ用の機器もこだわらなければほとんどのものが安価に入手できます。先日ついにイオングループに飲み込まれてしまった「スーパーダイエー」が大躍進していた頃、「価格破壊」という言葉が流行りましたが、ダイエーの扱うものは日用品でプロツールには関係ありませんでした。中国では数のはけないプロツールも安く作って安く売ることができる、私たちはそれを使って撮影料も更に価格破壊の道を突き進むまねばならないのでしょう。