写真屋はどこへ

デジタル時代の写真屋の居場所について考える・・・

LED フレネルスポット 第二ステージ

2019年02月08日 | 撮影機材

 まあまあ良いんではないかといった結果だったASHANKSのフレネルスポットに続き、その機種選択時に候補に上がっていたFalconEyesのスポットも入手しました。試用の結果としてはASHANKSより機器としての実力は確実に上で、また価格差は13,000円ほどなので最初からこれにすれば良かったのですが、実績のわからない機材の選択は価格とのバランスを考慮すると大変難しいことを実感します。
 地方都市ではプロ機材店というのは随分前から姿を消し、今では現物を見てから機材を選択するといったことは難しくて、結局は「買ってみるしかない」ということになるのですが、この辺りの周辺機材は 100% 中国製で、銀一などの取扱品に比べると価格は大体1/2から1/4なので選択結果がよくなかったとしてもその機器はそれなりの役に立ちそれほど大きな損失にはなりません。ただ、これらの機器はAmazonでしか取り扱いがなく、供給も価格も不安定だし、アフターサポートも期待できないことを割り切らねばなりません。

 しかし中国製品の品質の向上と進化の早さには感服させられるばかり。この製品でも集光レンズが従来の 「フレネルレンズ」 ではなくプラスチック製の 「ハニカムレンズ」 というものに変更されていました。

 昆虫の複眼のような構造で、このレンズの恩恵なのかどうかは定かではありませんが、フォーカスを絞っても中心部の色温度が変化することもなく、光軸周辺の色調に違和感も感じません。フレネルレンズを使用した旧モデルもAmazon内の他の販売店では同じ型番で出品されているので、ハニカムレンズに変更されたのは比較的最近と思われますが、中国から手元に届いた商品は購入した商品のページに掲載されていた写真より更に変更・改良が行われていました。

  DMX512という舞台向けのコントロールシステムがついているのですが専用の物理的DIPスイッチがパネルから消え液晶パネル内で操作する方式に変更されていました。まあ、私は使わない機能なので関係はないですが。またランプのイラストに2.0と書かれたシールが貼られていてランプがバージョンアップされているという事のようです。

 色味についてはNikon D850の5500Kを基準とすればややマゼンタ寄りに思えます。ASHANKSも同じ傾向でしたが程度はより軽微で、補正フィルターはLEEの最薄色 #278(Eighth Plus Green)で改善されます。ただこれも「sh50Pro-S」と併用した場合の値なので、単独使用の場合や、5000Kの設定ではこのままでも良い範囲でしょう。私はデイライトでしか使わないのでそれ以外ではテストをしていません。この機種では光量の調整に加えて3000K~8000Kの間の色温度もダイヤルノブで無段階に調整することができますが色味の調整は本体ではできないのでこれはフィルターで補正することになります。ちなみに、ビデオ業界の定番ブランド、ARRIのLEDライトにはグリーン/マゼンタを調整するダイヤルも付いているらしいですがこの製品の価格はわかりませんでした。でもそれを調べる気は私にはありません。

  私は光り物の撮影が多くてフィルム時代のスタジオではづっとタングステンの照明機器を使用していましたが、デジタル撮影への転換後はコストの問題もあり、蛍光灯照明へ移行しました。(だって、RDS電球の寿命は極めて短く、チリチリという音とともに球が切れるとその度に10,000円前後の金額が飛んで行くのです)しかし、蛍光灯照明にはフレネルスポットライトに該当するものはなくて、擬似的な器具を自製するなどして凌いできたのですが、撮影用照明機器もLEDによる新時代になり、フレネルスポットも登場してようやくタングステン時代の照明環境の再現ができるようになりました。
    

   ※購入したAmazon内のAndoer.jpでは現在品切れのままになっています。