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Canon Vtのレストア

2009年02月12日 | カメラ

  Vtのレストア情報を捜したが有用なものは見つからなかった。構造は基本的には以前に開けた事のある7型とそんなに変わらないだろうからレバー以外はまあ何とかなるだろう。レストア記事のかわりにこんなものを発見した。
http://unit.aist.go.jp/tohoku/techpaper/pdf/3659.pdf#search='キャノン%20Vt'
 Vtの外装のデザインを担当した工業デザイナー川田さんが書いたレポートである。このVtはキャノンが初めて工業デザイナーを起用した記念碑的機種で、この基本デザインは以後25年間、F-1型まで受け継がれた。
 レポートには川田さんが同時にデザインしたVt純正のハードケースについても記述がある。これより以前のキャノンのケースはニッカなどと同様、ライカとよく似たものであったので、ケースもライカ型から脱却すべくこのケースが企画されたようだ。今回落札したVtにこのケースがついてきたが、レポートにも説明のあるヒンジの部分が壊れていた。金具の実用強度が足らなかったのだろう。この部分には不安があったようで、レポートからは、ケースの意匠と実際の生産品とのギャップに対するデザイナーの心残りが伺える。
 痛んでいるケースはいつもは捨ててしまうのだが、せっかくのオリジナルケースなのでヒンジの部分を補強し、外装も再塗装した。(つづく)




Case2
    (ヒンジが開き、開け易くしてあるのだが・・・)