昨年末に8年間使用してきた車両(スバルレヴォーグ)から軽自動車の日産デイズに乗り換えた。フリーになってから数多くの車種を乗り継いできたが写真業の営業車両については色々な思いがある。1990年以降に写真撮影業に携わっていた人々のうちフリーランスの人たちが好んで使っていたのがスバルのレガシーツーリングワゴンだった。撮影機材をロケ地に運ぶ、撮影品の受け渡しなど顧客との行き来や送迎、現像所への往復などに加え、自身の生活の足としても商用車のライトバンとは違う使い心地の良い車種だった故だ。その頃日本で販売されていたステーションワゴンはトヨタのクラウンと日産のセドリックまたはグロリアのステーションワゴンで、共にその頃の最高級ブランド故に価格も高く、また顧客に対しての遠慮もあってツーリングワゴンが選ばれていた。以後、スバルの成功を見てトヨタも日産も中型のステーションワゴンを発売する。
私が昨年まで使っていたのはツーリングワゴン後継車のレヴォーグだったが、スバル車を購入したのはこれが初めてだった。以前から日産のディーラーと懇意だったので、日産のステーションワゴンを何台も乗り継いできたのだが10年ほど前から日産も含め多くのメーカーからステーションワゴンという車種が消えて行き、残ったのはスバルだけになっていた。
レヴォーグも良い車だったが、今回は以前より念願だった「軽自動車」を選択した。数年前までは遠方への出張撮影が定期的にあったので、どうしても積載量のある車が必要だった。以前からから高速道路を長時間走行するのが次第に負担となってきていたところ、有難いことにようやくお役御免となった。隆盛だった企業も社会の変化で衰退していく業種もあるのは当然で、思えばバブル崩壊より30年、よく続いたものだ。私は開業時より自社スタジオ内での小物撮影が主力だが、バブルの時代になると大型商品の撮影が増え、大型の貸しスタジオへ通う時代が続き、その関連から現地での撮影も増加していた。平常の時代に戻ればフルサイズのステーションワゴンは市内走行では持て余すことになる。最近の軽自動車の品質には目を見張るものがあり、物理的な大きさを除けば普通車に劣るところは全くなく維持費も少くて済む。荷室も通常の撮影機材の積載には十分な広さがあるが、長尺物の積載にはやや不安はあったので検証してみた。
照明機材と共に必須なのがレフ板。荷室からはみ出して運転者の頭越しまで伸びるが、天井が高いので不都合はない。2、3枚なら積載可能で、ホームセンターなどからの購入時にも問題はない。50余年前、開業時にに買った中古のカローラバンの荷室も同じ状態だったのを思いだした。
さて、長いものといえばセットペーパーと呼ばれるスタジオ用の背景紙がある。長さは2.72m x 11m。載せたところ長さはギリギリ。上の写真のものは残りが4mほどなので未使用品よりかなり細くなっていて、これだとバックドアを閉めることができる。しかし新品の場合は巻きが太く残念ながらドアが閉まらない。室内に積載するには巻き芯ごと10cmほどカットする必要がある。ポールキャット、クロスバー(ただし1/2連結式)、ライトブームとブーム用スタンドは十分の余裕。使用しているライトブームは手元でヘッドの回転と角度調整ができるのでライトヘッドの代わりにカメラを載せれば高所からや俯瞰でのリモート撮影にも利用できる優れ物で度々外部に持ち出している。
以上、荷室の使い勝手はまずまずの結果だった。市内の通常走行時の燃費については前の前のステージアが5km/ℓ、レボーグが8km/ℓに対し15km/ℓと良好。郊外では25km/ℓ程度であった。
余談:車検証の「車種欄」を見てデイズも「ステーションワゴン」であることを知った。