写真屋はどこへ

デジタル時代の写真屋の居場所について考える・・・

SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMは良いレンズだが

2013年01月27日 | カメラ

Sigma インテリア系の撮影には主にCanon EOS-1Ds mk3に<EF17-40mm F4L USM>をつけて使っているが、17mmよりもう少し広角が欲しいときが時々あるシグマの<12-24mm F4.h5-5.6 II DG HSM>は一昨年にリニューアルされて価格もリーズナブル。評判も良さそうなので、新たにシステムを組むNikon D800E用の超広角レンズとして購入した。
 使ってみるとズーム全域で明らかに片ボケがみられた。このレンズは初期不良として販売店が交換してくれたが、交換してもらったレンズも箇所は違うものの、また片ボケがみられる。再度の交換も気が引け、メーカーへ直接調整を依頼することにした。神奈川にあるカスタマーサポートへの送付から10日程で福島のシグマ会津工場から直接戻ってきたが、修理票には「解像確認検査の結果、新品と交換しました」との記載。前の2本でこのレンズには少々失望していたのだったが、送られてきた3本目で撮って見ると、見違える程良い画像。24mm域ではまだ癖が残るが、このレンズの売り物である12mmでは絞解放からとてもよい画を生成する。18mmをこえる超広角レンズとして使用するには価格も含め、優れたレンズだと思うが、その割安な価格故、検査基準を下げざるを得ないのだろうか。
 シグマのレンズはかっては安物レンズの代名詞のように思われていた時代もあった。しかし近年の製品は描画力をはじめ外装の質感や操作感もとても良くなってきている。しかもすべて国内生産。その中で低コストを実現するのは並大抵のことではないだろう。もし製品検査の簡易化がコストダウンの大きな要素だとすれば、「当たり外れ」には片目位つむってもいいのかもしれないが、「クレーム手続き」という面倒を経なければレンズ本来の実力が発揮できないのはなんとも残念に思うのだが。


Nikon元年

2013年01月03日 | カメラ

P1010376 下積み時代、勤務先の35ミリカメラはどこも大方ニコンFだった。しかし私のこの数十年の写真生活のなかで大判用ニッコールレンズは何本も買ったが、ニコンのカメラを買ったことは一度もなかった。フィルム時代、ほとんどがビューカメラを使用しての撮影であったので35ミリカメラを使うことは少なく、たまに使う35ミリカメラもキャノンであった。
 300万円ほどもしていたデジタル一眼レフがようやく手の届く価格になったのは12年ほど前からで、この頃から主力カメラが4×5判ビューカメラから35mm型SLRデジタルカメラに移行する。35ミリカメラはキヤノンのEOS-1を使っていたのでそのままデジタルEOSに乗り換えることになる。当初300万だった画素数はほぼ2年毎にモデルチェンジを繰り返し2,000万を越したあたりで落ち着き、以後、3,000万を超える画素数機種の開発が噂されるものの、レンズ性能の限界もあってか、それ以上はなかなか上がらなかった。
 我々の仕事に限っていえばほとんどがA4サイズまでの写真原稿で、2,000万画素あればほとんどは事足りるのだが、A3を超える大きさが必要な場合にはぎりぎりのサイズで、トリミングなどすると大変つらいことになる。レンタルシステムの充実している東京などでは中判デジタルカメラを使用すれば良いのだろうが、地方では時間的にもコスト的にも難しい。
 昨年からキヤノンはスタジオ用スチールカメラとしてのEOSには見切りをつけ、ムービーと報道に軸足をおき、画素数は現状で留め置くことにした模様だ。そんな中でニコンは画素数3,630万のD800シリーズを発売した。ニコンは解像度アップのために数年前から主力レンズのリニューアルも進めていてキャノンユーザーからみるとまことに羨ましく、また頼もしい。商売上手なキヤノンと比べるとちょっと「愚直」過ぎやしないかと心配さえしてしまうほどだ。
 年末にD800シリーズの価格がかなりこなれてきたのではじめてのニコンカメラ、D800Eを購入した。所謂「フラッグシップ機」ではないので現在使用しているEOS 1Ds mark3と比べると半額以下で、Fマウントのレンズを購入する必要があるものの初期出費は少なくて済む。これまでEOSシリーズにボディだけでも数百万を支払ってきたことを思うととてもありがたい。しばらくはEOSと併用しつつ徐々にシステムを構築する予定でいる。