秋田県横手市増田町 千葉建築のブログ

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夏の大三角

2011-07-05 10:18:01 | 自然と科学
7月5日(火曜 旧暦6月5日 七赤 仏滅 辛酉)


おはようございます。横手市増田町の工務店、千葉建築です。


梅雨模様の空が続いており、夜空の星もめっきり見えなくなっています。

今週は7月7日の七夕もありますが、天の川を見られるかどうかは微妙なところです。


昨年の七夕の記事では、七夕の夜空に1年に1度だけ行われる、織姫・彦星の逢瀬が中国起源であることをご紹介しました。

古代中国では、わし座の1等星「アルタイル」が「牽牛星」、こと座の1等星「ベガ」が「織女星」とされ、それが伝承とともに日本に伝わったことは、言うまでもなくほとんどの方が知っていることであります。

アルタイルとベガは、ともに「恒星(自らが光輝く天体)」であり、はくちょう座の1等星である「デネブ」も加えて、この明るく輝く3つの星を結んだ三角形は、「夏の大三角」と呼ばれています。


この3星は、いずれも地球から最も近い恒星である太陽よりもはるかに明るく、明るさの順番としてはベガ(5番目)>アルタイル(13番目)>デネブ(20番目)となっています。

ただし、太陽からの距離はベガが25光年(光年=秒速30万キロメートル)、アルタイルが16光年に対して、デネブは1800光年と非常に遠くなっています。

大きさも、ベガとアルタイルが太陽の2~3倍程度であるのに対し、デネブは半径で太陽の200倍、質量で50倍という途方もない大きさであり、光の強さも太陽の5万倍にも昇る巨大な星となっているそうです。


さて、ベガとアルタイルが、東洋において織姫と彦星の伝説を生み出したのに対して、デネブとこの星を含んだはくちょう座については、七夕において織姫と彦星を仲立ちした「カササギ」の橋となっています。

また、はくちょう座については、西洋に面白い伝承があります。

ギリシャ神話において、主神でもあるゼウスが、スパルタ王チュンダレオスの妻である絶世の美女・レダに横恋慕して、愛の女神アフロディテに協力を求めました。


一計を案じ、アフロディテはワシに身を変え、ゼウスはハクチョウへと姿を変えて、2羽はスパルタへと向かいました。

ハクチョウ(ゼウス)が窓辺にレダがいることを確認すると、ワシ(アフロディテ)はハクチョウをわざと追いまわしました。

それを見たレダは、ハクチョウを哀れに思い、ハクチョウを迎え入れようと両手を広げました。


ハクチョウはレダの胸に飛び込み、ゼウスの熱い思いは遂げられました。

ハクチョウが再び空へと飛び立った後、レダは懐妊し、2つの卵を産み落としました。

その1つからはポルックスとカストルという双子が生まれ、この双子はそのまま「ふたご座」となり、またハクチョウに化けたゼウスの姿は、「はくちょう座」となったといわれています。


別の神話としては、太陽神アポロンの子のパエトンが、友人キュクノス(キグナス)に、自分の父がアポロンであることを証明するため、父アポロンしか扱えない太陽を引く馬車を持ち出しました。

程なく馬車馬たちは、引いているのがアポロンでないのに気づいて、大暴れを始めました。

太陽の馬車は、近づいたものを焼き尽くし、多くの森や都市が火に包まれました。


これを見たゼウスは激怒し、雷をパエトンに落としました。

パエトンは絶命し、天空のはるか下方にあるエリダヌス川(エリダヌス座)へと落下していきました。

これを見たキュクノスは、エリダヌス川に落ちた友の亡骸をいつまでも捜し続けました。


キュクノスの姿に心を打たれたゼウスは、友パエトンの姿を探しやすくするため、キュクノスをハクチョウの姿に変えました。

ハクチョウは天高く舞い上がり、その姿がはくちょう座になったとも言われています。


さらに、ベガの属する「こと座」も含んだ神話もあります。

先述した太陽神アポロンは、本来は音楽の神でもありました。

発明の神ヘルメスが作った竪琴を、アポロンが譲り受けてこれを演奏し、後にその竪琴はアポロンの子のオルペウスへと受け継がれました。


オルペウスは音楽家として有名になり、彼は森の精霊・エウリュディケを妻として娶りました。

しかし新婚早々、エウリュディケは毒蛇に噛まれて亡くなりました。

悲嘆にくれたオルペウスは、愛する妻を取り戻すため、冥界(死後の世界)の王ハデスの元を訪れ、竪琴を引きながら妻を蘇らせてくれることを嘆願しました。


ハデスは美しき竪琴の調べに感銘し、オルペウスの願いを条件付きで許しました。

その条件とは、冥界から戻る際に、決して後ろを振り向いてはならないということでした。

しかし、冥府を抜けるまであと少しというところで、オルペウスは不安から思わず後ろを振り向いてしまい、妻は冥界へ戻され、二度と地上に戻ることはできませんでした。


絶望したオルペウスは、その後は他の女性を愛することもなく、音楽を奏でることすらやめてしまいました。

やがて彼は殺されて川に身を投げられ、主人を失った竪琴は川の流れに飲み込まれていきました。

ゼウスは、川から竪琴を拾い上げ、それをこと座として夜空へ舞い上げました。


東洋においても、西洋においても、人類が発祥するはるか昔から夜空に輝いていた無数の星を見上げ、事の吉兆を占ったり、あるいは数々の神話と結びつけていきました。

人類が宇宙にまで進出し、天文学や物理学が発展した現代でもなお、宇宙の全容というものは全て解明されておらず、むしろ無限にまで広がる大宇宙において、我々の住む地球というものがいかに小さいものであるのかを認識するに留まっているのかもしれません。

しかし、現時点で我々が住む地球以外の生命体というものは未だ発表されておらず、新たな星が発見されるたびに、この小さき星が「数々の奇跡」によって存在しているということも認識するところであります。


また、神話や伝説というものは、現代人にとっては科学的根拠が乏しかったり、非現実的なものと思う方も多いかもしれません。

医学が発達する以前は、伝染病は悪魔の仕業と考えられたりしたこともあり、一見医療行為とは思えないような儀式などが行われた時代もありました。

今ではほとんど常識となっている地動説を提唱したガリレイは、その時代の人々には理解されず、後世になってやっとその功績が認められるといったこともあります。


電気の恩恵により、夜でも昼のような煌煌とした灯りが得られるようになりました。

しかし今回の震災と原発事故により、今までのように電気を使うことに対して、人々の意識が変わりつつある時期に来ていると思います。


昔の夜は今よりももっと暗く、その分夜空の月や星が明るく見えたかもしれません。

晴れた日の夜空を見上げたとき、いろいろなことを考えるかもしれませんが、その一つに少しでも早い東日本の復興を願う気持ちを持っていきたいと思います。

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