deep-forest

いつだって感じる
アナタとワタシの距離は
近いようで遠いようで
でもそれが大事で大切な
アナタとワタシの距離

君の額にピストルを突きつけよう10‐1

2010年01月20日 00時01分24秒 | 物語系
『早ク…、私を殺シテ。』
「言われなくても…。」
『出てくるんじゃない!お前が望んだことだろう!』
『お願イ…、早ク…。』
荒れていた呼吸は少しづつ治まっていく。彼女の様子が少しおかしい。よく見ると左と右の顔付きが、何か違う。
「二重…人格。」
『早ク…早』
『うるさーっい!』
彼女の顔つきは元に戻り、笑っていた。笑いながら、俺のほうに向かって歩いてくる。

『しばらくの間は出てこれない。…君の言う通りだよ。能力を受け入れる【私】と、能力を拒んだもう一人の【私】。私は2人の【私】で1人なんだ。』
「今は…、能力を受け入れたほう…。」
『そうだよ。厳密に言えば、今の【私】はさっきやっと出てこれたの。それまではもう1人の【私】が、消えてなくなるためにあなたを怒らせる芝居をうった。』
「何が…なんだか。」
『君の友達を殺したのは、今の【私】。もう1人の【私】は拒んでたけど。』
「…。どっちでも…、いいよ。」
少し俯きながらも、ピストルを構える。君の額にピストルを。

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