みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

千代田のお城(江戸城)

2017年02月27日 | 俳句日記

 お江戸も春の日の日本晴れ、ただこの時期、北西からのからっ風が吹くのがたまにきずの

南関東でして、江戸名物の火事の多くは一月から四月のあいだに起こっているそうですな。

 263年間の江戸時代に、49回の大火事があったそうですが、7割がこの時分だそうでして、

あまり起こるもんで、この時期に婦女子を近在に疎開させるてなこともやってたそうですよ。

 

 八つぁんと熊さんの時代も御託にもれず、なんども火事が発生していたようです。

 

「きょうもえらく吹いていやがんなぁ、火でも出たひにゃたまったもんじゃないぜ」

「ああ、明和の『目黒行人坂の大火』の時にゃ俺っちも焼け出されちまったもんな」

「あれは酷かったな、九百三十町だぜ燃えちまったのは。亡くなったのが一万五千人だ」

「それも二月二十九日ときてらぁ。くわばらくわばら」

 

「今年の一月十日にも、去年の十月にも、おと年の七月にもあったじゃねぇか」

「なんでこんなに起こるのかね!? お前さんは大工だから儲かるかも知れねえが」

「言ってくれるね。度々起こるからよ、ご公儀が手間賃を限ぎっちまったんだぜ」

「そうだったのかい、知らなかった。すまねぇな」

 

 実際当時の物価水準に応じて、その時代、時代で木材や米、手間賃の統制などに

幕府も腐心してきたようでして、橋や奉行所、番所なんかの公共財の再築、さらには

武家屋敷や寺社の再築への助成金等の出費は半端なものではなかったそうですな。

財政難の幕府は、明暦の大火で焼け落ちたお城の天守も再建出来ずじまいでした。

 

「それはそうとよ、今晩でもこないだの話でご隠居のとこに行ってみねぇか?」

「そうだな、引力と摩擦だ」

「それによ、外国の情勢だ。あれは工藤さまがおもに話されてたろ、仏だの蘭だのって」

「それにエゲレスだ。ロシアも危ねぇってんだろ?」

 

「あんまり長い話だったんで、こちとら憶えていねぇからよ」

「今夜行こうぜ。きっとご隠居は憶えていなさる」

「千代田のお城の中で、いってぇどんな風に話し合いがされてるのかも知りてぇよな」

「ご隠居で分かるのかなぁ、あんまり詮索するとお縄になっちまいそうで怖えぇな」

 

 どんな時代でもことの事情が少しでも分かると、私ども下々は、お上がどうして居なさるか

気になってくるものでございます。そんなときに、時代の壁が少しづつ下々の風と共に開て

くることを忘れてはいけません。気付かないでいると大変なことになりますよ!

      =お後がよろしいようで=

 

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二月二十七日(月)  快晴 風強し

           快晴なれど風強く川は断念

           断捨離のゴミを五袋出す

           朝食後ランドリーに向かう刹那

           立て続けに三本の電話、出鼻痛し

           洗濯待ちの間、大池公園で鳥観察

           こちらにも餌付け人あり