ぱっぱらっ記 In Danmark

夫の転勤に伴い、家族四人=夫、私、長男3歳、長女1歳でデンマークで、2年間暮らした記録です。

成人のための教育

2007年01月26日 | 子育て事情
成人の教育制度について。

国民が一生涯学びたいときに学びたい教育を受けられる。
その環境を整えるために、政府は莫大な費用をかける、それがデンマークです。


前回書いた、義務教育後の進路をそれぞれ終えた後、


Gymnasiumに行った人の場合、ほとんどはVideregaaende Uddannelseという
形で(大学のようなところ)勉強を続けます。


これには

Kort (短期2~3年)
Mellem lang(中期3~4年)    Viredergaaendeuddannelse
Lang(長期4~5年)

と期間が分かれており、
短期では 看護師・保育士・・・・・
中期では 教師・・・・
長期では 医師・弁護士・・・・・・・

など、つきたい職業によって教育期間が変わってきます。



その他の進路を終えた場合、社会にでて働くのですが、

社会にでた後にも受けられる教育制度がたくさんあって、
完全週休2日制、残業ほとんどなしのデンマーク人の多くは、
現実的にこの教育をほとんど無料で受けることができます。


具体的にどのような教育機関があるかというと・・・


① FVU
デンマーク語の読み書き、あるいは数学などが苦手な人たちのための教育機関。

② AMU
義務教育終了程度の勉強をもう一度したい人のための教育機関。

③ AVU
現職教育研修のようなもの。が、失業者も参加できる。
様々な施設で行われていて、職場内にクラスがある場合もある。
数日から数ヶ月。
今職場で求められている技術と合致する事が多い。


④ VVU 
パートタイム制のVideregaaende Uddannelse.
すでに教育を受けた学科を更に発展させたい人、新たな範囲を発展させたい人のための教育機関。

⑤ GVU 
自分がすでに受けた教育や仕事に関する、更に専門的なスキルを学ぶための教育機関。
そのため、ここで一からあたらしいものを学ぶわけではない。
条件として25歳以上で、9klasse相当の知識があり、2年以上の関連する職業経験があること、が必要。

⑥Diplom
これもパートタイム制のViderergaaende Uddannelseであるが、
Mellemlang 中期レベルに相当するものである。

⑦Master
すでに中期・長期Videregaaende Uddannnelseを受けた人が、更に勉強して
修士号を取得するために受ける教育。
 

ほとんどが昼・夜間どちらもあり。


こんな至れり尽くせりの制度があるため

子どもがいても、仕事をやめて学生ローンを借りながら
勉強して転職しよう、とか

仕事を続けながら更にステップアップしよう、とか

仕事に疲れたからとりあえずどっかの学校行って一休みするか~とか、

仕事やめて失業保険もらってたけど、もうそれも期間切れなるから
とりあえず学校行っとくか~とか、

学校行ってみたけど、やっぱりおもんないから、辞めてちがうとこいこう~っと
とか、


いろいろ 色々 イロイロ な考え方があるんですよね






義務教育後の進路

2007年01月22日 | 子育て事情
ついに冬らしい寒さになってきました。



テスト課題でせっかく調べたので、デンマークの教育制度について。
長くなるので義務教育後の進路、成人の教育制度に分けようと思います。


デンマークの義務教育は日本と同じで9年間です。

学校はfolkeskole(フォルケスコーレ・直訳すると民衆学校)という、
日本の小中学校をあわせたような学校でここの1~9klasse(クラス)が
義務教育期間にあたります。


しかし、実際には0klasse(boernehave klasse=幼稚園クラス)
というものがあり、1klasseにはいる前の6歳の子供たちの9割以上が
幼稚園クラスにいくことになります。
(正確には6歳もしくは7歳。親が必要と考えるなら一年遅らせることができる、
 男の子のほうがそのケースは多く、約2割の子どもが入学を見送るそうです。)

folkeskoleを終えた16・17歳の子ども達の進路には
(私の知る限り
7つの道があります。

具体的に言うと

① 10klasseといって、そのままFolkeskoleに残り、をもう一年勉強する。
  全体の4割強。

② Gymnasial uddannelse(ギムネィシァル)
  日本の全日制普通科高校に相当するもの。
  3年もしくは2年。
  HTX(理数科)HHX(文系・商業科)=3年

  HF(必要な単位を自分で選択できるコース)=2年
  などがある。
  
  ①③⑦を終えてからHFを取るという進路もあり。
  それをあわせれば全体の5割強がGymnasiumに進学。

  Gymunasiumを卒業したほとんどの生徒がVideregaaende Uddannelseという
  いわば大学のような教育を続ける。

③ Efterskole(エフタースコーレ)
  寄宿生の学校で音楽や体育など勉強以外のことを学ぶ学校が多い。
  全ての進路の中で唯一有料 1週間1500kr(3万円)前後の費用がかかる。
  が、公の補助受けられる場合が多い。  

④ SoSu(ソ・ス)=Social og Sundheds uddannelse(直訳すると社会・健康学教育) 
  日本の看護学校のようなもの
  Social og Sundheds assistance(看護助手のようなもの)
  hjemme hjaelper(ホールヘルパーのようなもの)
Pedagog med hjaelper(保育士助手のようなもの)
  
  ・・・などなどになるための学校
  1~2年。
  
  ここを卒業してから他で教育を更に受けると
  理学療法士・保育士・看護師・・などなどになることができる。

⑤ Erhvervs Uddannelse(エアベアウス 特殊技能学校)
 日本の専門学校・もしくは工業高校にあたる学校で
 主に手を使う仕事につく人のための学校。
 例えば理容師・電気技師・れんが職人・実験助手・カメラマン・画家 などなど。
 2~5年。
 全体の2割がこの道を選択。 

⑥ Andre Ungdoms Uddannelse (直訳すると その他の青年学校)
 ここも専門学校のようなもの。
 つける職業の例として
 警察巡査官・農夫?・刑務官などがある。
 1~4年。

⑦ 一年間 自由

  海外旅行・留学・アルバイトをしてすごす。 


こうしてみれば
⑦以外、日本の中学卒業後の進路とあまり変わらないような気がします。
高校、商業、工業、看護・・・
などがあるわけですから。

でも やはり日本とは大きく違う点がいくつかあります。

まず、
Gymnasiumは、ある種 「勉強ができる・好きな人が行く学校」 として位置づけられている事。

これは逆に 高校へ行かない人は、アホ という意味ではありません

デンマークでは、税金が高いせいなのか、職業差別、給料格差があまりない様に思えます。
そのため、進路に関しても特にどこに行くほうがよりいいとか悪いとか、高校にいけない人が他を選ぶとかもないようです。


日本の高校進学率は たしか9割以上だったと思います。
しかし高校のレベルはピンきりで、
親がとりあえず普通科卒業しとけって言うから と、
ただ卒業証書がほしいためだけに3年間嫌々学校に行っている人もいます。


そしてもう一つ大きな相違点は
将来何になりたいかわからないからとりあえず高校に行くというのではなく
正々堂々と?
一年間自分の将来を考える猶予をもらって③や⑦を選んだあと、高校に行ったり
他の学校へ行ったりできることです。

そのため、一年間旅行したり、エフタースコーレで好きなことをした若者達でGymnasiumに進む割合は、①の10クラスを終えた生徒達より少ないそうです。


そして結構大きな問題 費用に関することですが

③と⑦以外は無料。
18歳からは学生なら誰でも返還不必要の奨学金がもらえ、
④に関しては、学生ローンが組めます。これはもちろん返済義務がありますが
他よりもずいぶん安い利率で借りる事ができます。

日本では学生ローンというものがあっても
それを借りている割合は少ないと思うのですが、
デンマークでは親がある程度大きくなった子どもに金銭的な援助をしないので
多くの学生が学生ローンを借りているそうです。
 


世間体も費用も気にすることなく(本当のところはどうかわかりませんが)
進路を選べるデンマーク。


と、いっても若いデンスケたちのなかにも
お行儀悪そうな子がいっぱいいることも事実です。
煙草も法で禁じられてないので、学校ですっぱすぱやってるそうです。


あ、それとこれとは関係ないか。   
                            つづく


子育て事情②の2

2006年03月10日 | 子育て事情
なぜデンマークの子供たちがお行儀よく見えるか。というか
実際外でおとなしくできているか。

注)私の狭くて浅いデンマーク社会とのかかわりの中でみつけた私なりの考察です

私が思うに、デンマークでは小さいころからの「おさえつけ」
が徹底しているからではないかという事。

「おさえつけ」というと言い方が悪いですが
他に適切な言葉がみあたらないのであえてここではこの言葉を使います。
個人的にはこのことに対して否定的な感情は持っていません。

何に対して「おさえつけ」と言っているのかというと、
デンマークでは 家庭の主役はあくまでも親である というスタンスを
貫いている点です。


例えば
子供が1歳になる前から、誰かに(大抵はじじばば)預けて夫婦だけで旅行へ行くのも珍しくはない事


子供たちにとっては概して退屈な時間である大人の酒盛り(ホームパーティー)が、
暖かい時期毎週のようにあちこちで行われている事。
(その時間、子供がどのくらい楽しんでいるかどうかはそれほど重要ではない?)
(もちろん同じくらいの年の子がいて、子供たちだけで遊べる年になれば子供もそれなりに楽しめると思います)

生まれたときから寝室が別である事(欧米では普通ですよね)

外でお昼寝をさせる事
(こちらでは寒さに慣れさせるため、呼吸器官を鍛えるためといわれていますが、
子供が外に寝ていたほうが親にとって便利な事もたくさんある)

だっこひもの使用頻度が低い事(親の身体的負担が大きいため?)←町の作り、公共機関、国民の意識からして違うせいもあると思います。
日本はベビーカーでは歩きにくすぎる!

子供のおもちゃ・服は生まれたときからある子供の部屋においてあること
(我が家は服もおもちゃも絵本も全てリビングです

などなどです。(どれも最初が肝心!なんだろうなぁ)


それに加え、
大人の時間を邪魔すると子供はとても厳しく叱られます。
例えば親と幼稚園の先生がお話している途中に話しかけたりすると
てきめんに?叱られます。

叱る時は手も出さず、大声も出しませんが
顔を30cm以下に近づけて、
それはそれはつめたーい目で、ときには指を刺しながら
ビシャリっと叱ります。
はっきりいって相当怖いです。
これだったら笑顔で「このくそボケが!」っていわれたほうが
よっぽどダメージ低そう・・


しかし怖さ100%なので子供の服従度?も100%です。


個人的には、子供にお父さんとお母さんは怒るとすごく怖いと思わせることは大切だと思います。(実践できているかは疑問)




日本では子供が生まれたときから自分の時間が極端に減り
いろいろな行動が制限されることは当たり前で仕方がないことだと多くの人が思っていると思います。
それでも子供が小さいそのときにしかできない事も沢山あるのでそれは貴重な時間だと・・・
確かに私は今でもそう思っています。

でもこちらでは
子供がいてできない事があるのはもちろんだけど、
その程度はずいぶん低いような気がします。



それと、これは日本も学ぶべき「おさえつけ法」であると思うのですが、
デンマークでは銀行、警察、市役所、病院、洋服屋・・・
大抵どこに行っても子供があそべるプレイコーナーがあります。
これは子供のことを思ってだけではなく、大人の都合に合わせて
子供をうまく黙らせておく術だと思うのです。

子供は言い聞かせるだけではどうしようもないときがあるのは、
子供を持つ親なら誰でも知っていることなので、
親子お互いののストレスを軽減するためにできることはやりましょうという考えがからきているのだと思います。

その結果外で買い物に連れられている子供たちは日本のスーパーで大の字になって大泣きしている子供達とは違っていい子に見える・・というかいい子にできるのではないでしょうか。


以上、まったく独りよがりなデンマーク育児事情レポートでした。


それでもやっぱり1~3歳くらいの子供がスーパーでどうしようもなくぐずって泣き叫ぶ場面は頻度は少ないですが見かけますよ~当然ですよね








子育て事情②

2006年03月10日 | 子育て事情
先日こんな事がありました。

オットがテツジローとスーパーにお買い物に行ったとき、
テツジローが急にぐずりだして、どうにも手のつけようがなくなり、オットが
「もう、ええかげんにせえ!」といってテツジローの頭をパチコーンとやったらしいのです。

ウチの家では頭をパチコーン!なんて
よくあることだし、日本でもよく見かける光景なのですが・・・
(とんでもない!子供に手をあげたことなんて一度もない!というかたもいらっしゃるとは思います)

ここはデンマーク。

パチコーン!とやった瞬間に、つめたーい視線を感じて振り返ると
デンマーク人のおばあさんがすごい顔でにらんでいたそうです。


確かにデンマークに来てからというもの、子供に対するこのくらいの
軽~いシバキも外で目にすることはありません。


きいたところによるとデンマークでは虐待はおもーい刑が処せられるし、
外で子供をひどく怒鳴りつけたり、たたいたりすると、すぐに
周りの人たち(他人であっても)が「何で叩いてるんだ」と止めに入ったり、
時には通報されるそうです。

実際に、お友達Kさん(旦那様)がチボリの前で息子のS君をきつく叱っていたら、
道行く人ににらまれ、注意されたそうです。


日本では、たとえばクリスマス前の土日にトイザラスなんかに行った日にゃあ
ギャースカないている子と「ええかげんにせぇよコラ!」といいながら
子供の頭をパチコーンと叩いているお父さんお母さん
「このくそボケが!」「しばくぞコラ」と暴言を吐いているお父さんお母さん
を見ることは珍しくありませんでした(大阪ってこともあって特に口が悪いです・・・)

しかしデンマークではそういう光景は一切目にしません。
もちろんデンマーク語なので暴言吐いてたって気づいてないだけかもしれないですが、
少なくとも大声で子供を怒鳴りつけているのも目にした事はありません。


こちらへ来た当初は
デンマークの子供たちはお行儀がいいから?
それともデンマーク人はしつけが上手だから??と思っていました。

しかし今は それだけではない と思うのです。


まず子供を叩いてる光景を目にしないのは上に書いたように
(軽くでも)子供を叩く、暴言を吐く事はデンマーク社会の中ではとんでもないこととされているし、
それをしてしまうと、周りにいる誰もが黙っていないというのが一つの理由。

それとそこまでになるほど(親が一時理性を失うほど)、
デンマークがストレス社会はでないというのがもう一つの理由だと思います。

以前にも書いたようにデンマークは
ほとんどが共働きのため、家庭に適度な風穴があり、
両親とも自分の時間というものを持っています。
そしてその分家族が一緒にいる時間をとても大切にします。
また日本と比べると実労働時間が短く、頻繁に遅刻早退したり、
有給をとることでゆとりを持った生活をしているように思います。


それに対して、毎日遅くまで働いて、
土日も休日出勤やなんだかんだでろく休みのない日本のお父さん、
その裏側で四六時中子供とまったりぐったりな日本のお母さん
(全部がそうではない事は重々承知しています)


そんな日本のお父さんお母さんが、
例えばクリスマス前の土日のトイザラスに行ったとき、
(子持ちの方にはわかると思いますが想像するだけで行きたくなくなるような混雑のしようです。)

子供のために疲れた体でおもちゃを買いに来たはずなのに、
どうしようもないくらいぐずり倒す子供に対して冷静に対処できず、
きつく叱る→更に子供が手がつけられない状態になる→親子共々どんどんヒートアップ
・・・・・・→「このくそぼけが!」となるのも理解はできますよね。
コドモって親がイラついてるときに限って、そしてイラつけばイラつくほどぐずるから・・


注)

これは、あくまでも私が見かけた疲れている風のお父さんお母さんが、
その状態にいたるまでの私なりの解析ですので、
日本のお父さんお母さん、クリスマス前のトイザラス、の大部分をさしているのではありません。念のため。
虐待のニュースを見て「まったく訳がわからん」というよりも、
「そこまですることはなくても、そうなっていく状況もまぁ理解はできる」
と思うのと同じようなものです。




とはいってもデンマークの子育て全てがすばらしいわけはなく
以前も書いたように両親が完全に外を向いてしまった家庭は、
適度な風穴どころか大穴が開いてしまい、家庭内に隙間風がビュービュー吹いてしまっているのです。


そして実際、現在デンマークでの虐待件数は毎年増え続けているそうです。
(具体的な数値がなくて説得力に欠けますが)


と、ここまでは、
デンマークではなぜ外でお父さんお母さんが子供を叱り飛ばしていないか
についてでした。
次は
それでもやっぱり、デンマークの子供たちの多くが外でお行儀よくおとなしくできているのはなぜか?について。

長くなるので2つにわけます。


デンマークの子育て事情①

2006年01月05日 | 子育て事情



私たちがデンマークで大変お世話になっているKさんは、デンマーク剣道のナショナルコーチです。
ウチのオットがデンマーク赴任が決まってから、デンマーク剣道についてネットで情報収集していて、
たまたまそのお名前をみつけて、コンタクトを取り、何度か剣道をご一緒し、今に至っています。

Kさんは、18歳のときにデンマークに来て以来14年間デンマークで暮らしています。
家族構成は我が家とほぼ同じで、昨年pedagogの資格試験に合格されました。


pedagogは幼稚園の先生、養護教員、小学校の道徳の先生、
学童保育の先生などができる資格だそうです。


今現在、学童保育の先生をされているKさんから聞いた
デンマークの子育て問題について、今日はちょっとばかし語ってみたいと思います。


長文でーす。興味のない方はスルーしてください


デンマークが共働きが多いことはよく知られている事だと思います。


そんなデンマークで今、子育てできない親が増えている そうです。
そしてその結果虐待や肥満児が増えている ・・・・・

ここでまでなら日本も同じような問題を抱えているではないかと思うのですが、
日本とデンマークの違いはその問題の背景にあります。

デンマークでは一般的に子供が1歳くらいになると、
朝から夕方まで保育所あるいは家庭保母さんに預けます。
そのため、平日は、朝は1・2時間、夜は長くても4・5時間しか
子供と接する時間がありません。

私は、子供と接する時間が短くても、その分一緒にいられる時間は
お互いがその時間を大切に思い、親と子供がより密に接することができる・・・
と考えていたのですが、実はその逆もある、というのです。


つまり例えば、仕事のほうがおもしろくなったり、
自分のキャリアアップしか目に入らなくなったり、
はたまた外に出ている時間が多いせいか出会いも多く、新しい恋に走ったり・・・・


それが原因で子育てがおろそかになり、(もちろん両方頑張ってる人もたくさんいると思います)
極端な話、毎日の晩ご飯がシリアルだけ、スパゲッティにケチャップかけただけ
と言う状態の家庭が実際に多くあるそうです。

そしてもう一つ、子育てができない親が増えている背景に、
この国は 子供の自立が早い と言う点も関係しているようです。

デンマークにはパラサイトシングルはほとんどいなくて、
子供はある程度の年になると家をでるし、
親もそれからは一切手もお金も出さない事が多いようです。

しかしあまりに早く自立した子供たちが、あまりに幼すぎる親となり、
(ここでは精神年齢の事を指しています)お粗末な子育てをしているというケースが多くあるそうです。

この国では未熟なまま親元から離れても、定職につかずとも、なんとか暮らしていける、
道端で食べ物がなく、寒さに凍えて死ぬなんてことまずありえない。
さらに子供ができても、子供を簡単に預ける事ができ、
お粗末な子育てを続けていても、自分も子供もなんら不自由なく生きていける。

という、充実した福祉、社会保障制度、そして生活保護をもらうことになんら抵抗のない、
差別のない、一見すばらしいと思える現状が皮肉にもこのような親達を生んでいるようです。

そしてそんな親達に育てられている子供たちを、学童保育で手をかけてやればやるほどまた親達が手抜きする・・・
と言う現実もあり・・・
それはたとえば、施設での食事をあたたく栄養のあるものにすればするほど、
親が家での食事を手抜きするとか、保育士がたくさん体を使って外で遊んでやればやるほど、
親が家で遊んでやらなかったり・・・と言う事だと思います。


子育ての大部分を母親一人が背負い、母親が育児に疲れ果てている日本と比べて
デンマークはなんてすばらしい制度なんやろうと思っていた私にとって、
このお話ははかるくショックでした。



(日本にいたとき、私がよく思ってたこと。)


父親が毎日10時以降に帰ってくるのが当たり前のこの世の中で、(ウチのオットは早いほうですが)
育児本には「たくさん子供と遊んで触れ合って、たくさん愛情を与えましょう」
とかいてあるけれど、24時間365日子供とべったりで、一人になる時間もなく、
ガス抜きするところもなく、どうやっていつも朗らかなお母さんができるんだろう。
母親がどんなに頑張ったって睡眠時間の少ない子、偏食のある子、アレルギーのある子、
よく泣く子はいるのに、悩みを相談したり育児本を読むと、
もっとお母さんがこうしてあげれば・・もっとお母さんがこう接してあげれば・・・と書いてある。
子供が昼寝をして一息つけるはずの時間も育児本を読んだだけで終わってしまった。
気づけば疲れた顔ばかり、ためいきばっかりついている・・・
もうこれ以上頑張れない。あぁ自分はなんて悪い母親なのか・・・


ちょっとノイローゼ気味な文章ですがご心配なく
程度はその日によって違うものの、一人目を育てているときはよくこんな事を思っていました。
もちろん日々の生活で、子育てをしていて、子供がたまらなくかわいいとき、
子供がいて幸せに思うときもたくさんあるので、子育てはつらいことばかりではないです


話が随分それましたが


デンマークは母親も自分の一個人の人格を保てる時間があり、
適度にガス抜きができ、しかし日本の働くお母さんほど忙しくもなく、
お父さんも早く帰ってくるので、(平日4,5時、金曜2,3時、土日休み)
両親の子育てにかかわる時間が平等、
子供と接する時間は少ないけれど、中身が濃く、週末は家族でまったり過ごし
子供が大きくなって早く自立しても、クリスマスや誕生日の際は皆が集まって
盛大にお祝いする・・・・・

と思っていたすばらしいデンマーク家庭像は私のただの妄想だったのでしょうか・・・???

いやいや、やはり日本でもデンマークでも、うまくその国の慣習にのっとって
上手に?楽しく子育てしている家庭も沢山あると思います。

どこにいってもなにもかもが完璧な国なんてあるはずないのですから。

そして私はKさんがおっしゃっていたように、日本とデンマークのいいところを
取り入れた子育て(そんな大げさな事はできませんが)ができれば、と思っています。