癒し系!?税理士の爆笑??商売繁盛記

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無税入門

2008-12-03 18:37:44 | 税金・会計
最近、本屋で平積みにされている本で、よく聞かれるので、
個人的な見解を述べます。

「無税入門」只野範男著 飛鳥新社

これは、サラリーマンの著者が、副業を事業所得として申告して、税金を払わない
という手法です。

只野氏の理屈からすると、家のスペースを利用しているので、家事費がある程度
経費に計上でき、結果として事業所得は赤字となるとのこと。

この赤字を、給与所得と相殺して、所得控除(扶養控除など)を差し引くと、
課税所得は0もしくはマイナスになるという仕掛けです。

理屈からすると、もちろん著者の言うとおりですが、いくつか疑問点が
あります。

まず、すべての情報が開示されていないことを前提に仮定すると、そもそも
著者の言うとおり、家事費の付け替えができるのか?ということです。

これは、自宅兼事務所の人ならお分かりかと思いますが、本来合理的に
事業経費と家事費に分けなければならないものです。

ただ、実務上は合理的な按分割合という明文規定はないので、鉛筆をなめる
世界になる。つまり、グレーゾーンということです。

また、サラリーマンが主ということを、考えると副業に従事できる割合は、
物理的に限られ、著者の言うほど家事費をつけられないと考えるのが、
適当に思えます。

また、税務署から問い合わせがあったので、それにつき回答したから問題ない
というロジックは、説得力あるようですが、実際のところ根拠はありません。

なぜなら、個人事業主への税務調査というのは、ほとんどありませんから、
電話確認もゆるい可能性があるのではないでしょうか。

税務署も取りやすいところから、取るということをしているので、費用対効果
を考えると、本格的に税務調査の対象としなかったということでしょう。

ただ、今後は税務署内部の体制が変わり、税務調査の担当員が増えていくので、
今までどおりで良いということは、ないでしょう。

もし、このスキームを検討する場合は、税理士への相談をオススメします。
コメント (2)
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