寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3118話) 缶風車

2021年04月01日 | 出来事

 “四、五年前から、主人が缶ビールの空き缶一つ一つに丁寧にナイフで何本も切り込みを入れ、ちょうちんのような形にして作っておりました缶車・・・。二、三百個ほど作りましたでしょうか。「これを市内中に広めたいなあ」と言っていましたが、残念にも昨年の六月に亡くなってしまいました。
 今では、風が吹くたびに、わが家の庭木の上で「カラ力ラカラ」と、寂しく音を立てて回っています。ご近所の方や親戚、知り合いの方々にも差し上げ、喜んでいただきました。町を歩いていて、ふとお宅のお庭の木や軒下に飾ってくださっているのを見かけますと、心の中がジーンとしてきます。
 ところが先日、私のところにメールで動画が届き、びっくりしました。ドイツの空で、主人の缶風車が回っているではありませんか。知人の娘さんがドイツに持ち帰りなさって、ご自宅のベランダにつり下げられ、それをメールで送信してくださったのでした。主人の思いが、日本の空の下だけでなく、遠い異国の空にも届き「カラカラカラ」と回っているなんて・・・。感無量です。主人も遠くて高い空の上から眺めているかしら。”(3月8日付け中日新聞)

 岐阜県大垣市の桑原さん(女・75)の投稿文です。ご主人の作られた缶風車がドイツのベランダで回ったいたとは、こんなこともあるのだ。何が起こるか分からない世の中、作ったご主人を亡くされた桑原さんには全く感無量のことでしょう。缶風車を何百と作られ、いろいろな人にあげ、市中に広めたいと言っておられたご主人。まさかドイツで回っていたとは、ご主人の夢を超えていました。いろいろやってみるものです。
 実はボクは、ペットボトルの風車を2、30は作ったと思います。それを自宅や畑に置いています。今自宅では10個、畑に4個回っています。案山子の横でも回っています。ペットボトルなので簡単に切れ、簡単に作れます。でもよく回るものもできるし、なかなか回らないものもあります。作っていればいろいろなことが分かってきますし、要領もよくなります。人にあげられるほどのものではありませんが、楽しんでいます。


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