寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第2782話) 花祭り

2019年05月05日 | 意見

  “八日はお釈迦様の誕生日だった。私が住む地域では昔から「花祭り」と呼ばれる仏教行事を開いて誕生日を祝ってきた。花祭りでは住民らが寺に集まり、お釈迦様の像に甘茶を掛けたりお釈迦様の母親の夢に現れたと言い伝えられている白象の像に各自が持ち寄った花々を飾ったりする。しかしながら最近は子どもがこの仏教行事に出合える機会はめっきり減ったと聞くと、元住職の私としては歯がゆくて仕方ない。ハロウィーンやクリスマス、バレンタインデーなど欧米由来の文化は近年大いにもてはやされているの・・・。どんな世になっても私は慈しみに満ちたこの花祭りを守り続けていきたいと思う。次の世代に信仰をつなげればと思っている。”(4月16日付け中日新聞)

 滋賀県長浜市の横山さん(男・83)の投稿文です。花祭りと言えば、ボクも思い出すことがある。ボクの子供の頃ボクの檀那寺でも行われていた。子供会の行事にもなっていた。そして、近くの寺院へ大きなやかんを持っていって、甘茶をもらってきたものである。それをもう何十年と忘れていた。それが1昨年、老人クラブ連合会長になったとき、寺院から招かれたのである。近くでまだ行っていた寺院がるのである。ずっと続いていたのか、最近再興されたのかは知らない。子供会の行事にもなっていた。懐かしい思いで参加した。
 横山さんが言われる「ハロウィーンやクリスマス、バレンタインデーなど欧米由来の文化は近年大いにもてはやされているの・・・」と嘆かれるのには全く同意である。ボクもこの大騒ぎを苦々しく思っている。警官がでるような乱痴気騒ぎに、日本はどうなっているのだ、と思ってしまう。大層喧噪な日本伝統の祭りも多い。でもそちらは廃れていくのである。愛知県奥三河地方の国の重要無形民俗文化財にも指定されている「花祭」は、後継者がなく廃止されていく一方である。いろいろあっていいが、まずは日本の文化を大切にしたいものである。


1 コメント

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Unknown (はなみずき)
2019-05-12 07:57:14
お釈迦様のお誕生日を祝う花祭り。
近年は子供達も塾やスポ少など子供達も忙しく、参加者も少なく各町のPTAの役員さんが手伝い、お釈迦様の御輿に花飾りをしているようです。
その昔、私達が小学の高学年ともなればリーダーになり、子供会全員が手分けして、家々をまわり、花をいただきに行きました。レンゲを摘みにもいきました。そしてきれいな御輿が出来たものです。
翌日は男の子が御輿をかつぎ集合場所である小学校の体育館まで歩きました。各村からそれぞれに豪華に飾られた御輿を見るのも楽しみでした。みんなでお釈迦様の教えてを学びました。
現在時代の流れと共に形態も変わりましたが今なお引き継がれている事に安らぎを感じます。
軽トラに載せられたお釈迦様の御輿に微笑みながら手を合わせています。
古き善き時代の花祭り。行き帰りはお釈迦様の歌を大きな声で歌いながら。

(昔、昔三千年花咲き匂う春8日、響き渡った一声は、天にも地にも、われひとり)

甘茶の味と歌った歌詞今も鮮明に覚えています。

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