寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2983話) 半世紀超え

2020年07月02日 | 出来事

 “結婚して初めて名古屋から長野の実家に帰省した遠い昔のことです。叔母夫婦は私が名古屋に戻る際、鉢植えのサツキを持たせてくれました。団地暮らしだったためベランダで育て、一戸建てに移ると夫が庭にサツキを植えました。
 サツキはわが家でしっかりと根を張りましたが、花芽の付きはあまり良くありませんでした。花はせいぜい二つか三つぐらいしか咲かないことが五十年以上も続きました。それが突如、今年は花芽をたくさん付けて一株で四十以上もの花を咲かせたのです。私はうれしくてスマートフォンで写真を何枚も撮りました。
 サツキをくれた叔母夫婦はもちろん、両親も兄弟も皆、鬼籍に入りました。感染が続いた新型コロナウイルスの影響で長い間家にこもらなければなりませんでしたが、サツキの花を眺めるだけで救われました。今は叔母からの思いがけないプレゼント、エールだという気がしています。”(6月11日付け中日新聞)

 名古屋市の主婦・小沢さん(76)の投稿文です。植物について、ボクはあまり勉強しなくて自然まかせある。消毒もしないし、肥料もあまりやらない。そして、実や花はよくつく年もあれば全くつかない年もある。量が多いので、これで何の不足も無い。これは単なる怠け者の言い草であるが。
 小沢さんのサツキは何十年越しにたくさん花を咲かせたと言われる。そして、びっくりされている。専門家に問えば、何らかの理由を言われるだろうが、素人には分からない。そして、ボクも全く似た経験を幾度もしている。最近ではハッサクである。もう何十年前に植えたのかも覚えていないが、1本のハッサクの木がある。いつまで経っても成らないので、数年前にほんの一部を残してバッサリと切り落とした。ところがなんと昨年、20個以上の実を付け食べられたのである。またブドウも同じようなものである。何十年も前に植えた木が、数年前から食べられるようになった。小沢さんはこんなサツキに感激されている、そうであろう。ボクもそうである。植えておけば、蒔いておけばこのようなことが起きる。何もしなくては起こらない。愛おしいものである。


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