久々の展覧会です。
大好きな国立新美術館に行ってきました。
若い頃は、展覧会でも旅行でも演劇でも解説を読んだり聞いたりするのが苦手でした。
自分の「これいい」っていう感覚だけを信じていました。
でも、最近は展覧会では音声ガイドを利用することにしています。
その作品の背景を深く知りたいっていう気持ちに変わってきたんですよね。
若い頃にその面白さに気付いていたら、もっとたくさん勉強していただろうに・・・
印象派はとてもわかりやすいしなじみ深いので、記憶力の悪い私の頭の中にもかなりたくさんの作品がインプットされています。
それでも、実物を眼の前にすると圧倒されたり感動したり・・・
同じ作品でも、その日の自分のコンディションと会場の環境条件によっても感じ方が全然違う。
この日、釘付けになった作品はルノワールの「アンリオ夫人」
やさしく温かく、そして鋭く見つめるその目から視線をはずすことがなかなかできませんでした。
話は飛びますが、6月にどんぐり工房で「被災地に折り染めうちわを送ろう」というプロジェクトをやりました。
送付先のひとつである気仙沼の幼稚園からお礼の電話を頂きましたが、その時の副園長先生の言葉が忘れられません。
「被災後、綺麗なものを眼にすることがなかったので、荷物を開けて鮮やかな色が目に飛び込んできてとても幸せな気持ちになりました。」
綺麗と思う気持ち、美しく見える背景。
飽和しきった混沌とした世の中からは美しいものは生まれにくいのかもしれないな、とふと感じました。
印象派の画家たちも、それまでの古い画壇の圧力や社会情勢や経済状態などに苦しんだからこそ描けた光なのかもしれません。
今、私たちが感じている光とはまったく違う光。
ついでですが、このワシントン ナショナル・ギャラリーについてちょっと調べてみました。
アンドリュー・メロン(名前がキュート)という人の美術コレクション寄贈が基本の美術館です。
そして、このアンドリューさんの美術館に対する思いがステキ
美術館の名前に自分の名前を使用しないとか
作品は市民からの寄贈で集めるが自分の寄贈した作品と同等以上の作品しか受け入れないとか
観覧料は無料にするとか
超カッコよくないですか