堂宇の光影

寺院建築の優美さ・秀麗さを追いかけています。
最近,更新に取材が追いつかず・・・
今しばらくお待ちください。

當麻寺,久米寺

2013年05月05日 | 奈良

古代,奈良県西部にある二上山は日が沈む地であり,また,大和と河内を結ぶ交通の要所でした。

この地に西方極楽浄土の様子を表した「当麻曼荼羅」の信仰と,中将姫伝説で知られる古寺,當麻寺があります。

平安時代末期建立の本堂(曼荼羅堂・国宝)とともに奈良・平安初期建立の2基の三重塔(東塔・西塔)があり,

近世以前建立の東西両塔が残る日本唯一の寺としても知られています。

 

 

久米寺は,畝傍山の南方にあって,橿原市神宮からもほど近いところにあります。

開基は聖徳太子の弟,来目皇子)といわれ「扶桑略記」や「今昔物語」では久米仙人により創建されたと伝えられています。

写真の多宝塔(重文)は,1659年(万治2年)京都・仁和寺から移築されたもので,桃山様式を残したものです。

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明日香から五條へ(談山神社・岡寺・栄山寺)

2013年05月04日 | 奈良

明日香周辺はただ歩くだけでも心が浄われる感じがします。飛鳥寺,橘寺など伝来当時の仏教

遺跡もイマジネーションを刺激してくれます。

 

岡寺

天武天皇の子,草壁皇子の住んだ岡宮の跡に義淵僧正が創建したとされる寺院で

西国三十三箇所第7番札所となっています。

 

談山神社

名は藤原鎌足と中大兄皇子がこの多武峰にて大化改新の談合を行ったことに由来するもので,

神仏分離以前は多武峯妙楽寺といわれていました。木造十三重塔はわが国でここだけです。

 

栄山寺

五條市から吉野川の流れに沿った道は実に気持ちのよいツーリングができます。

その途中に奈良時代,藤原不比等の長子である武智麻呂によって創建された栄山寺があります。

境内は古寺の名にふさわしい情緒があり,そこに国宝指定の角堂があります。

 

 

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新緑の室生寺

2013年05月03日 | 奈良

奈良桜井市から国道165号線を東進し,途中から室生川の流れに沿って山間を走ると室生寺に至ります。

室生寺はほとんどの堂塔が国宝,重文に指定されているだけでなく,山岳寺院ならではの

四季折々の情景が素晴らしく,土門拳,入江泰吉といった著名な写真家が秀作を残しています。

写真は初夏のものですが住まいさえ近ければ何度でも足を運んでみたい寺院です。

 

五重塔

 

金堂

 

本堂(灌頂堂)

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新薬師寺・円成寺・長谷寺

2013年05月02日 | 奈良

東大寺から南に下り,春日大社二の鳥居の南方に新薬師寺はあります。

奈良時代,光明皇后が夫聖武天皇の病気平癒のため建てたもので,現在の本堂は,

当時の他の建物の転用ですが,奈良時代の遺構として国宝指定されています。

静かな時の流れを感じさせる堂と境内です。

 

東大寺の東,柳生街道沿いに進むと,円成寺があります。

写真は室町時代1468年建立の楼門と1990年再建の多宝塔といった新旧の並びですが,

寺院には浄土式庭園,国宝指定の春日堂白山堂,仏師運慶20代の頃の作と

される大日如来坐像など,観るべきところが多いです。

 

奈良市中心街から国道169号線を南下し桜井から初瀬街道に入ると長谷寺があります。

古くから「花の御寺」と称され,源氏物語,枕草子,更級日記などにも登場しています。

国宝の本堂は京都清水寺と同じ懸造(かけづくり)で,その舞台から眺める三重塔の朱が周囲

の木々に溶け込んでいました。

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元興寺・十輪院

2013年05月01日 | 奈良

興福寺から南に少し下ると江戸,明治の街並みが残っており,そこに調和した落ち着いた堂宇を観ることができます。

 

元興寺極楽坊本堂,禅室(ともに国宝)は鎌倉時代1244年(寛元2年)に改造されたものですが,本堂には飛鳥から奈良時代にかけての

瓦が行基葺きという葺き方で一部残っており,また,禅室の木材には582年伐採のものがあるといわれ,いにしえに思いをはせるに

うってつけです。

 

 

十輪院の本堂(国宝)は,広縁の奥に蔀戸(しとみど),軒裏も板軒といった仏堂で,境内全体が鎌倉時代当時の住宅を思わせる造りです。

 

 

 

 

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東大寺・夜三景

2013年04月30日 | 奈良

東大寺の周辺はいつも観光・修学の人でにぎわっていますが,夜も更けて人影がなくなった頃,

ライトアップされた南大門や大仏殿は,日中とはまた異なった美しく荘厳な姿をみせてくれます。

 

池に鏡のごとく映った姿は別世界へ誘わているようで,いくら見ていても見飽きませんでした。

 

毎年8月のお盆に開かれる万灯篭会のときの大仏殿。この法要は時季さえ許せば一押しです。

 

 

 

 

 

 

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興福寺・五重塔の夕景,夜景

2013年04月29日 | 奈良

興福寺五重塔は高さが約50mあり,京都・東寺に次いで二番目の高さを誇っています。

近くで観れば木組の壮大さに圧倒されますが,離れて眺めると風景に溶け込んだ

落ち着きを感じます。今回は夕景夜景を3枚集めてみました。

奈良ホテル北側の大池越しから

 

満月の夜(塔左中央が月)

 

猿沢池のライトアップ

 

 

 

 

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喜光寺・法華寺・海龍王寺

2013年04月28日 | 奈良

喜光寺

阪奈道路宝来ランプから奈良市街に向かうと,すぐ左手にどこか見覚えのある堂があります。

現在の喜光寺本堂は,室町時代の再建ですが,行基が東大寺金堂を建立する際の参考にし

たと伝承されており,大仏殿の十分の一の大きさで「試みの大仏殿」とも呼ばれています。

 

法華寺 

平城京宮跡を北側に回り佐保路に入ると,西ノ京や奈良市中心地とはまた違った

静かな風情を味わうことができます。法華寺は奈良時代,745年(天平17年)

藤原不比等の邸宅跡に光明皇后が皇后宮としたところで,その後,「法華滅罪寺」となり

国の総国分尼寺となりました。

 

海龍王寺・五重小塔

法華寺の東北に海龍王寺はあり,奈良時代の記録では「隅寺」と記されています。

境内から飛鳥時代の瓦が出土していて,奈良遷都以前から前身の寺院があった可能性が

あるといわれます。写真は西講堂内に安置されているもので,高さ約4mの小塔ですが,

奈良時代の作として国宝指定されています。

 

 

 

 

 

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生駒へ至る国宝三堂(霊山寺・秋篠寺・長弓寺)

2013年04月27日 | 奈良

奈良市街の西方,生駒へ至る間には,国宝指定されている秀麗な本堂が三堂あります。

 

富雄川の支流湯屋川の流れに沿って堂塔が建つ霊山寺は鎌倉時代1283年(弘安6年)の築

で,和様仏堂の代表作の一つです。

ここにはもう一つ,重文指定の三重塔があるのですが,訪れたときは相輪の修理中で撮影を

止めてしまいました。もう一度訪ねたい寺院です。

 

伎芸天の有名な秋篠寺の本堂も鎌倉時代和様仏堂の代表作ですが,霊山寺と見比べる

と,秋篠寺の方は奈良時代の建築を思わせます。

 

長弓寺は,同じ鎌倉時代1279年(弘安2年)の建立でも密教仏堂の代表作です。

和様の中に桟唐戸・頭貫(かしらぬき)の木鼻など,大仏様が採り入れられ,新和様の典型と

されています。

 

もともと重塔の仏塔美に惹かれて撮影し始めたのですが,国宝級の金堂・本堂も巡るようにな

って,塔の立体とは異なった広がりの美しさを感じ入るようになりました。

 

 

 

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唐招提寺,西大寺

2013年04月26日 | 奈良

長らく平成の大修理が行われていた唐招提寺金堂の落慶があったのは,

2009年11月でした。情報を得て出かけたところ落慶行事初日の前日で,

金堂前の舞台で練習しているところを観た記憶が蘇ってきます。

正面から捉えた写真が多いですが,この角度で光が堂内を照らしているのも

いいのではないでしょうか。

 

 

金堂の裏に回ると講堂と鼓廊を一目に入れられるポイントがあります。

人気の高い唐招提寺なので,ここも人通りがなくなるのを待つのは大変ですが

小石の敷き詰められた境内と堂の姿は時間の流れを忘れさせてくれます。

 

 

近鉄電車で大和西大寺駅,または県道9号線で唐招提寺から

北上した位置にある西大寺は,重文の本堂や,愛染堂,四王堂もいいですが

本堂前の東塔跡に惹かれます。

東大寺に対置されて創建され,東西に二基の五重塔が配置されていた

当時の伽藍はさぞ壮大だったことでしょう。

 

 

 

 

 

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