古代,奈良県西部にある二上山は日が沈む地であり,また,大和と河内を結ぶ交通の要所でした。
この地に西方極楽浄土の様子を表した「当麻曼荼羅」の信仰と,中将姫伝説で知られる古寺,當麻寺があります。
平安時代末期建立の本堂(曼荼羅堂・国宝)とともに奈良・平安初期建立の2基の三重塔(東塔・西塔)があり,
近世以前建立の東西両塔が残る日本唯一の寺としても知られています。
久米寺は,畝傍山の南方にあって,橿原市神宮からもほど近いところにあります。
開基は聖徳太子の弟,来目皇子)といわれ「扶桑略記」や「今昔物語」では久米仙人により創建されたと伝えられています。
写真の多宝塔(重文)は,1659年(万治2年)京都・仁和寺から移築されたもので,桃山様式を残したものです。