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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

介護保険:コムスンを叩く前に読むべき2つの記事

2007-06-15 | ケンカイ
介護保険の“指定取消し問題”についての報道で、ようやく「コムスン叩き」一辺倒から変化の兆しが見えています。

個人的には、先日のフジテレビ「特ダネ!」で折口会長が生出演した際の、小倉キャスターの「事実として何がどうなったのか?」という視点での冷静なやり取りが印象に有ったのですが、ここに来て文字ベースの報道でも今回の問題の本質部分とも言える「介護業界の構造的問題」に迫ろうとするものが見られるようになりました。

そのうちの一つが、go2cさんのブログにも取り上げられているNikkei BP netの特集。この特集では「介護保険制度の改正」の結果、これまで介護業界が積み上げていった「サービスの基盤」がもろくも崩れてさっていった様子が伺えます。

コムスンを生み出した瀕死の介護業界 ~1~ 


コムスンが介護報酬を過大請求していたことがマスコミに大きく取り上げられている。同社がやったことは責められるべきだが、継続・安定したサービスを提供すべき介護業界が、今、その安定した基盤を外され、大混乱に陥っている事実はなかなか伝わってこない
2006年4月に介護保険制度は大幅な改定が行われた。その内容は介護保険制度を抜本的に見直すものであり、当初から現場ではとまどいの声が上がっていた。
改定実施から1年以上が経ち、さらに利用者、事業者、介護スタッフからは制度の“改悪”に対する不満の声が強まっている。このままでは介護保険制度は崩壊するという声もある。
いったい、何がどう変わり、現場ではどのような混乱が生じているのか。レポートする。
(傍線部は筆者による)


また、もう一つは切込隊長氏のブログDAN氏のブログでも取り上げられた毎日新聞の論説記事。こちらも、「まっとうにやっても儲からない介護業界の現実」が如実に伝えられています。

発信箱:コムスン問題の黒幕 中村秀明(経済部)


つまり、ディスコのノリを重視する野心家が、独自のサービスで顧客の支持を受けながら、社員に厳しいノルマを課し、不正を積み重ね、それでも採算に乗らないのが訪問介護事業と言える。さらに現場のヘルパーの多くは年収300万円未満で、離職率も高い。介護は、ビジネスとして職業として、夢も希望もないどころか、成り立っていないのが現実だ。

それぞれの記者が示す結論と私の意見には正直隔たりがある部分も有ります。しかし、コムスンの指定取消し問題を考えるのであれば、「現在の介護業界が置かれている状況」をしっかり認識しなければなりませんし、その点においては、いずれの記事も真正面から「介護業界の問題」を捉えているという点で、ぜひ読んでいただきたい記事であると私は感じます。

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