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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

マニアック労務:転勤者に対する「経済的支援」は必要?

2007-03-12 | 経営実務
久しぶりの「マニアック労働実務」のコーナーです。先日頂きましたご相談に、こんなテーマがありました。
遠隔地に複数の支店を持つ企業で、ある従業員Aに対して転居を伴う転勤を命じました。Aは転勤について同意の意向はあるようなのですが、一つ条件をつけてきました。それは、「住宅ローン減税が受けられなくなる分の補てん」です。

Aは数年前に住宅を購入しており、ここ数年住宅ローン減税の恩恵に預かっています。しかし、今回転勤をするとなると、この住宅からA一家が転居を余儀なくされ、本来受けられる住宅ローン減税の適用から外れてしまいます。そこで、Aはこの住宅ローン減税の見合い分について、補てんをすることを条件として出してきたのです。

さて、会社はこの条件を受け入れなければならないのでしょうか?(ちなみに、
Aは家庭の都合から単身赴任は難しいという前提です)

今回のご相談の趣旨はこのようなものでした。

住宅ローン減税は、住宅ローンを使って一定の要件を満たす住宅を購入した場合などに、年末時点の残高をベースとして、納付すべき所得税を減らすことが出来る制度です。サラリーマンの場合ですと、通常は「源泉徴収」によって予め納税していますので、住宅ローン減税の手続きをすることによて「還付」を受けられる形になります。場合によっては十万円単位の還付金を得られるケースも有ることから、実際の額よりも「気持ち」の面で大きなメリットに感じる減税措置の一つではないかと感じます。

ただし、住宅ローン減税の場合には「自らの居住の用に供していること」が減税措置を受けるための条件となります。したがって、今回のケースの場合には、Aが転勤によってすめなくなってしまうことから、確かに「経済的な不利益」が発生することとなります。

また、このようなケースの場合には、自宅に住む・住まないに関わり無く「住宅ローンの返済」が発生します。しかし、転勤となった場合には転勤先において別に住居を借りる必要が出てくるため、この点においても「住宅ローンの返済」と「転勤先での家賃」という「2重の経済的負担」が発生するとも考えられます。

これに対し、労働法ではどのように取り扱っているかといえば・・・・・直接的には何の手当ても行われていません。したがって、会社は従業員に対してこのような場合の保証をしなければならないという「法律上の義務」はないと言うことになります。

しかしながら、過去の労働裁判を紐解くと、「人選の合理性」や「転勤の必要性」などの要件を満たさない場合には、「命令権の濫用」として転勤を無効とされるケースも見られます。特に、会社の命令にて転勤させるような場合において、転勤者に経済的な負担を押し付ける形になる場合には、なかなか裁判上も受け入れられないようです。また、裁判に至らないとしても、「転勤」をさせるということは、ただでさえ従業員に負担を強いることになりますので、従業員に気持ちよく働いてもらうためには、会社としてはやはり「一定の配慮」があって然るべきではないかと私は考えます。

「配慮」の一例としては、次のようなものが考えられます。

○「住宅ローン減税が受けられなくなる」等、転居に伴う経済的不利益への補てんとして・・・
 ・一定年数(2年程度)を区切っての特別手当・上乗せ賞与の支給
 ・転居費用の会社負担
 ・会社が従業員の持ち家を借り上げてしまう
○ローン返済と家賃の「二重の負担」を回避するために・・・
 ・会社での社宅の借り上げ
 ・転勤者に対する住宅手当の支給

ただ、これらの仕組みを作るときに注意しなければならないのは「あまり個別具体的なケースにとらわれすぎない」と言うことです。実際に転勤者が出る場合には、個別具体的に千差万別なケースが出てきてしまいますが、これに対していちいち対応していてはとても大変な上、他の転勤者との「不公平感」を生じさせる可能性もあります。ただ、どのような状況であれ「転勤」となれば、従業員にはそれなりの負担が生じます。したがって、「従業員(とりわけ、転勤者)に気持ちよく働いてもらうためには、何が必要か?」と言う観点から、会社として取るべき「筋」をきちんと考えた上で、何らかのルール作りを進める必要があるのではないかと私は考えます。

この話しをまとめますと、転勤者への経済的な保証・補てんといった部分について、「法律上の義務」があるかといえば「基本的には無し」と言うことになります。しかし、実務上では「従業員が戦力としていかに気持ちよく働いてもらえる環境を作るか」という観点で、会社が可能な範囲で可能な対応をとっていくことはやぶさかではないのではないかと私は考えます。

この件に限らず、人が動くこのシーズンは「転勤・出向・転籍」にまつわる様々な労働問題が発生する時期でも有ります。こうした「転勤・出向・転籍」にまつわる労働実務についてお悩みを抱える経営者・経営幹部の皆様を、立石智工事務所では積極的にご支援いたします。

今日の夕食:卵・絹さや・ピーマンで一品

2007-03-12 | 料理力
今日は自宅に携帯を置き忘れたまま外出してしまうという不覚を取ってしまいましたorz 普段だと、たとえ忘れたとしても外出した後すぐに気づくのですが、今日は名古屋駅まで出た後まで気づかないという完全なミス。十年ぶりぐらいに携帯が無い生活を体験してしまいましたが、外出仕事で事務所との連絡もままならず、何とも不便な一日でした・・・。今日連絡を頂いた皆様には、本当にご迷惑をおかけいたしましたm(_ _)m>関係各位

そんな今日は昨日の予告材料を使った一品に。ということで、今日の献立はこちら。
070312夕食
●緑たっぷりの中華風卵炒め[卵、絹さや、ピーマン、ベーコン]
●ネギ味噌入り信田焼き[油揚げ、長ネギ、献立いろいろ味噌]
●ししゃもの浜焼き[市販品]
●白菜の浅漬け[市販品]
●白ご飯[冷凍ごはん]

今日は手抜き料理の王道「炒め物」をメインとした献立としました。昨日の予告どおり卵・絹さや・ピーマンを中心に、少しだけベーコンを使っての卵いために。絹さややピーマンのシャキシャキ感と、卵のふんわり感がマッチして、非常においしい一品に仕上がりました(^-^)

ちなみに、「炒め物」は、短時間で手早く出来て、しかも、少量でも作りやすいという「手抜き」にはもってこいの調理法。だからこそ、さっと作っておいしく仕上げたいものです。今日のような「シャキシャキ感」が命の献立の場合には、火の通しすぎが最も怖いところ。そこで、今日の場合だと、こんな一工夫をしています。
・最初にベーコンを炒めるが、火が通って油が染み出した時点でいったん皿かバットに引き上げる。
・ピーマンと絹さやは一緒に入れてもOK(火の通りやすさは同じくらいです)。
・野菜に7~8分ぐらい火が通ったところで、ベーコンを戻す。
・予め卵に塩・胡椒・砂糖・みりん・中華スープの素を合わせて、よく混ぜておく(調味の手間を省きます)
・卵を入れたらすぐに火は中火。さっくりと混ぜ合わせる程度で皿に移してOK。

とにかく炒め物は「強火で短時間」に仕上げるのが基本。だから、予め火を通す前に「準備できることを準備しておく」というのが大切になります。調味料などは、予め手元に用意しておくか、出来れば小皿の上などで混ぜ合わせておくと非常に手早く出来ます。こうした「段取り」を考えていくことは、普段の仕事や経営にも通じているのではないかな~~~と、思ったりします。

明日は午前1件、午後1件とお客様訪問予定。長距離ドライブの予定ですので、しっかりと休養をとって臨みたいと思います。ちなみに明日は「にんじんと山芋」を使ったメニューにする予定です(実は、今日にんじんを使い忘れてました・・・・(⌒∇⌒;;)。