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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

パートの年金:適用拡大範囲は限定的?

2007-03-07 | 経営実務
今日の日経から。

パートの厚生年金適用、月収9万8000円以上に(NIKKEI NET)


厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の年金部会は6日、パート労働者の厚生年金の適用拡大に関する報告書をまとめた。適用条件となる労働時間を今の「週30時間以上」から「20時間以上」に広げる一方、月収に条件を設けて対象者を絞り込む方針を明記した。月収の条件は9万8000円以上が最有力。さらに中小企業は一定期間対象外とすることも盛り込んだ。対象となるのは従業員300人以上の企業となる方向だ。

 厚労省によると、条件を20時間以上働くパートに広げた場合、新たに300万人が厚生年金の対象となるが、月収9万8000円以上という条件が加わると40万人に減る。さらに従業員300人以下の中小企業を除くと、16万人まで減少する。(07:02)

なんとも「振り上げたこぶしのおとしどころを無理やり探した」といった感が強い今回の報告まとめですが、とりあえずは適用範囲の拡大と月収基準の設定による絞込みが行われたということですね。
ちなみに、月収9万8000円を時間給に換算すると
週20時間(1日4時間&週休2日) ⇒ 時給およそ1,225円
週25時間(1日5時間&週休2日) ⇒ 時給およそ980円
週30時間(1日6時間&週休2日) ⇒ 時給およそ816円
週35時間(1日7時間&週休2日) ⇒ 時給およそ700円
※1ヶ月を4週として計算。
となります。愛知県の場合、最低賃金は694円となっていますので、週35時間ならギリギリクリアするかどうかといったところでしょうか?

こうした形での対応となってしまったので、恐らく今後「時給の調整」といった局面となるのではないかと感じます。かえって『気持ちよく働きたい人の足を引っ張る』ことにならないかどうか、私は不安に感じます。

こうした事態を招かないための「制度設計」も考えうるのですが、これについてはまた別の機会にご紹介したいと思います。