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ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

コトバの定義:差別化とは?

2005-11-29 | マーケティング
師走に向けてドタバタしていまして、少し更新の間があいてしまいました。

さて、経営の世界ではよく「差別化しなければいけない!」「差別化が生き残る鍵だ!」と言われます。ごくアタリマエのように使われるこの「差別化」というコトバですが、いざ本当に「差別化」しようと思うと、「じゃぁ、何を?」というところで立ち止まってしまうことをが多くあります。

一般的に「差別化」と言った時には、「新しい技術を導入」とか「コストを押さえて商品を提供」のような、供給者側の行動に着目することが多くみられます。確かに、他社にない技術を導入するのも、原価計算によって製造コストを押さえるのも「差別化」でしょう。しかし、このような「差別化」が利益に繋がるかどうかといえば・・・・「?」が着いてしまいます。

一方、成功している企業を見ると、必ずしも「他社とは全く異なるコトをする」しなくても「差別化」が出来ていることに気付きます。その代表例が「セブンイレブン」でしょう。目先の部分では「PBが多い」「配送体制に力が入っている」等の違いはあれど、一利用者からは「コンビニ」という点でそれほど違いを感じることはありません。

しかし、セブンイレブンには一つの明確な「差別化」ポイントがあります。それは、「利用動機となるお客様の欲求」です。セブンイレブンの場合は「いますぐその場で何とかしたい(商品が欲しい、料金を支払いたい、お金を下ろしたい・・・)」というお客様の欲求を「差別化のポイント」として捉え、「お客様の立場にたった便利」をキーワードとして商売を展開しています。この『いますぐその場の便利』を追及し続けた結果、一見同じようなことをしていても他のコンビニチェーンとは異なるポジションを築くに至ったのです。

これははあくまでも一例ですが、今「元気がいい」といわれている企業では、同様の傾向がみられます。すなわち、どのようなポイントで「お客様の欲求」に応えるか、言い換えれば「お客様がわが社を選ぶ選択理由をどこに置くか」を他社と異なる部分に置くことが「差別化」として捉えられているのです。

このような「選択理由の差別化」を行うためには、「お客様の欲求」をより深く考えなければなりません。大変難しい課題ですが、まずは「何故お客様はわが社(わが社の商品)を選ぶのか?」というところから考え始めるのがよいと思います。