コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

文章力:表現が生み出す「読み味」の大切さ

2005-11-08 | よもやま話
最近、あるビジネス書を購入しました。その本は、とあるリーディングカンパニーの行っている様々な取り組みについて書かれているものでした。リーダーとしての地位を確実なモノにし、さらに飛躍を遂げていくための様々な工夫・努力・改善がこと細かく描かれており、「内容としては」大変参考になるものでした。

しかし、読み進めていくうちに「ん???」と何かモヤモヤとしたものを感じ始めました。どこかココロの中で「確かに言っていることはそうなんだけど、本当にそうなの?」という声が聞こえてきたのです。

この本に紹介されている企業の取り組みは確かに素晴らしいモノですし、他の数多くの書籍・雑誌等でも「ベンチマーク事例」として紹介されているものです。でも、この本に書かれていることを読むと「???」となってしまうのです。結局、この本としての印象は「どうもな~・・・」という感じになってしまいました。つまり、本の内容はともかくとして、私にとってはこの本の「読み味」があまり良くなかったということです。

文章というのは不思議な物で、同じことについて書かれていても、文章表現によっては「読み味」が全く変わってきます。例えば、11月5日の「お客様が最も嫌うことは・・・」の頭の部分で、文章表現を少し変えて見ると・・・

【元の文章】
夕食を食べに某大型SC内の回転寿司屋へ出掛けました。このお店は何度か見かけてはいたのですが、実際にお店に入ったのは初めてです。

私は回転寿司屋でも平気で「握りの注文」をします。なぜなら、私の食べたいネタは「普通のネタ」ではないので、たいていの場合ほとんど回っていないからです(^^;;

 ▼
【表現を変えてみると・・・】
夕食に某大型SC内の回転寿司屋へ出掛けました。このお店、何度か見かけてはいたんですけど、実際にお店に入ったのは初めてでした。

いつも私は、回転寿司屋でも「握りの注文」をすると決めてます。だって、だれでも好きなネタ食べたいでしょう?それに、私の食べたいネタは「普通のネタ」ではないので、どーせ回ってなんかいないですしね。


いかがでしょう?同じことをいっていても、読んだ印象がずいぶんと違うのではないでしょうか?さて、変更前と変更後の文章、どちらの「表現」がお好みでしょうか?

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・



私としては、特に、変更後の文章は「読み味が悪く」なるようにサジ加減をしてみました。変更後の文章で、特に強く意識したのは「だって、だれでも好きなネタ食べたいでしょう?」の部分です。このように、一見問い掛け調の文章表現なのですが、この表現では「決め付け感」が漂っています。そうすると、読者としては「同意しなきゃいけないのかなぁ?」という印象を与えてしまい、「読み味」を悪くしてしまうことになってしまうのです。

この例はほんの一例ですが、同じ内容をいいたい場合でも、ほんの少しの文章表現の違いで「読み味」がぐんと変わってくることは感じていただけたのではないかと思います。

ちなみに、先の書籍の場合も、全体的な文章表現が「取り上げたリーダー企業は素晴らしい!他の競合企業は全てダメ。このリーダー企業についていけないのは、その人たちが悪いんだ」というような「決め付け的印象」を感じてしまったが故に、私には「読み味がどうもイマイチだな~」と感じてしまったのだと思います。

「読み味」というのは極めて主観的なものであり、意識することは大変難しいと思います。私も、このブログを書くときには「内容に合った読み味」となるよう、「堅い話は整った印象になるように、やわらかい話は楽しい感じになるように」を目安としてはいるのですが、なかなかコレが難しいです。

「読み味」が良い文章を書くためには、きっと数多くのトレーニングを積むしかないのでしょう。その時、せっかく書いた文章を「書きっぱなし」にせずに「客観的に自分の文章を見る」ようにすることが上達に繋がるのだと感じます。

特に、自分の書いた文章を読み直しているときに、どこか「ん??」と感じるところがみつかったとすれば、それは正に「レベルアップのチャンス」が見つかったということです。このチャンスを捕まえて、一生懸命「なんでだろう?」と考えることが、最良のチカラに繋がるのだと、私は思います。

と、今日のネタ書きを通じて、まずは何よりも自分自身がこれからもたくさんの文章を読んで書いて、自ら鍛えていかなければならないと感じました。

【追記 0:45】
人気ブログランキング マーケティング・経営部門にて33位(11.09 0:30現在)まで順位が上がりました!皆様の投票に感謝・感激・大感動でございますm(_ _)m

当面の目標はトップ25入りです。「このネタ、い~ね!」と感じていただけましたら、ぜひ↓をクリックいただきまして、投票ご協力よろしくお願いいたしますm(_ _)m