コンサルタントのネタモト帳+(プラス)

ビジネスにも料理にも役立つ“ネタ”が満載!社労士・診断士のコンサルタント立石智工による経営&料理ヒント集

店舗運営:お客様が最も嫌うことは・・・

2005-11-05 | マーケティング
一昨日のなばなの里の帰りの話です。

夕食を食べに某大型SC内の回転寿司屋へ出掛けました。このお店は何度か見かけてはいたのですが、実際にお店に入ったのは初めてです。

私は回転寿司屋でも平気で「握りの注文」をします。なぜなら、私の食べたいネタは「普通のネタ」ではないので、たいていの場合ほとんど回っていないからです(^^;;

さて、席に案内されると、いつもの通り職人さん(?)に注文しました。

私:「えっと、鳥貝と揚げ茄子、それから、オススメの穴子、ひとつづつ頂戴!」

店員:「わかりました~!っと、大変申し訳ございませんが、今日は鳥貝と穴子切らしてしまっているのですが・・・」

私:「あっそう、じゃぁしょうがないね。代わりにオススメの生サンマとトロサーモンもらえる?」

店員:「すいません、生サンマもなくて、トロサーモンは普通のサーモンならあるのですが・・・」

私:「(なんなんだ?(@_@;))ふ~ん、じゃぁ、それで。あと汁ものの海鮮汁は?」

店員:「(本当に申し訳なさそうに)それも、申し訳ないのですが・・・・・」

私:「(えっ?(@_@;;;))んぢゃ、玉子ならあるよね?」

店員:「(泣きそうな声で)・・・・それも切れているんです」

私:「・・・・・・」


結局、注文したもののほぼ半分が「欠品」という状態でした。

さすがにびっくりしましたが、こうなると、正直いくら謝られても「もう行くか!」ですよね?だって、頼んだモノが出てこないのですから・・・・。

それにしても不思議に思っていると、店を出るときに、ふと奥に片付けられたカンバンが眼に入りました。

そこには・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・



「本日、都合によりランチを中止させて頂きます。」 とありました。

このカンバンを見て、「あっ、なんかトラブルがあったんだな。(例えば、配送のトラックが事故で着かなかったとか・・・)」と思いました。しかし、残念ながらこのお店は、私たちというお客をずっと失うことになってしまったことには変わりがないのです。

では、コノお店はどのような対応を取るべきだったのでしょう?それには、私がなぜ「むっ」として、「二度と行くか!」と思ったかの理由を紐解くと答えが浮かび上がってきます。

私が「むっ」とした理由、それは「より良い選択の機会が奪われた」からです。

私が、今回失った「選択の機会」の一つ目は、「メニューに書いてあるネタ」の選択です。

メニューとは「私たちは、ココにある商品を提供します」というお店の約束です。この約束が守られず、私は「与えられた範囲の商品」を自由に選ぶことが出来なかったのですから、当然「むっ」となります。

しかし、私はこれよりももっと重要な選択の機会奪われています。それは「きちんと対応してくれるお店の選択」です。

そもそも、予め「今日は都合で大変欠品しています」と一言断りがあれば、「じゃ、次の機会に・・・」ということで、今日のところは別のお店にすることができます。まして、今回のお店はSC内の飲食店ですので、他の店はいくらでも選ぶことが出来ます。この「そもそも、ちゃんとしていないお店を選ばされた」ことが、商品の選択よりももっと大きな怒りを感じさせるのです。

とすれば、このような「大欠品」のようなトラブルへの対応方法が見えてきます。

お客様はすくなくとも「ちゃんとしたお店」を選びたいのですから、お客様に満足な商品・サービスを提供できないのであれば、「お店を開かない」というのが最良の対応策になります。

この場合、その日の売上は大変厳しいことになるですが、お客様は「じゃぁ、次の機会があれば・・・」となり、再度トライしてもらえる機会を失わずに済むかも知れません。このとき、お店の前で店長自らひたすら謝って、「お詫びの割引券」でも差し上げれば、かえって「次のお客様」となってもらえる機会を生み出せるかもしれないのです。

ただ、今回のSC内のお店のような場合には、契約上「お店を開かない」ということができないかもしれません。そうであれば、「今日提供できるだけのメニュー」を用意することで代替策となります。

お店の入口で、「今日は○○という事情で、今日はコチラのメニューの商品しかご提供できません。大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご容赦ください」と案内すれば、お客様は予め納得の上お店を選ぶことが出来ますし、別のお店を選ぶこともできます。もちろん、この場合も「お詫びのクーポン」は効果を発揮するでしょう。

いずれにせよ、ポイントとなるのは「絶対にお客様の選択を奪ってはならない」ということです。そのためには、今の自分のありのままの姿、今自分が出来る限界をきちんと伝えるすることが求められます。(ちなみに、これが「ディスクローズの重要性」ということそのものです。)

トラブルの時こそ「お客様の立場で考えること」が求められます。ここで、どのように振舞うかによって「ブランドを高めるか?それとも傷つけるか?」の分かれ目になるのです。