セイナルボンジン

時代を逆行する大きなお友達ブログ。宇宙戦艦ヤマトや東映特撮ほか。

わが心の銀河鉄道

2011-06-12 23:46:52 | 映画
宮沢賢治。
『わが心の銀河鉄道~宮沢賢治物語』(1996年公開の、宮沢賢治の伝記映画)を見た記念に描いてみた。

賢治の父親を演じる、渡哲也が美しすぎて生きるのが辛い…!!

*******************************************

宮沢賢治については、子供向けの伝記本で得た程度の知識…病弱で苦労しながら、農民のために生きて素晴らしい文学を生み出した人、くらいの認識しかなかったのですが、この映画を観て、そのイメージはブチ壊されました。

いやあ、エキセントリックな人生ですね!宗教にハマり、周囲に入信を勧めまくってウザがられたり、親に借金して怪しい人造宝石の事業を立ち上げようとして怒られたり。農学校の教員として安定した生活をしているかと思えば、突然退職して「羅須地人協会」なる謎の私塾を立ち上げたりしつつ、最終的には体を壊して実家に戻り、37歳で死去。

ド天然トラブルメイカー、賢治。
もし自分の兄貴がこんな電波野郎だったら、間違いなくヘコむね…そして殴り倒すね…

しかし、映画としては、あくまで優しい視点で賢治の人生を描きます。
何度も挫折を味わいながら、夢の中に生きる純粋な男の、不思議な魅力が爽やかであり、どこか悲しい。
現実の女性に迫られて、つい逃げ出してしまうヘタレっぷりもまた、よし。
アニメとCGで挿入される、『銀河鉄道の夜』や『よだかの星』などの作品イメージが、ファンタジックな色彩を添えます。

映画全体を通じて、最大の理解者である妹の死や、友人たちとの交流など様々な挿話がありますが、一本の縦糸に当たるのが、渡哲也演じる父親と賢治の関係性です。
賢治の破天荒な生き方と、堅実に生きる父親とは常に衝突を繰り返すのですが、そんな父親が、賢治の死の床で不器用に一言、
「おまえもなかなかえらい」
と言う場面、迷いを断ち切り、会心の笑顔を見せる賢治に感動します。
苦難と挫折の連続だった賢治の人生ですが、精神的には救いのある映画でした。


ところで、うちの母親はよく「渡哲也と渡瀬恒彦兄弟では、渡瀬恒彦のほうが好き。何故なら渡哲也はあまりにも美しすぎて、見ていると何だか辛くなるから」と言っておりました。長年意味が分からなかったのですが、この映画の熱演を見て納得しました。

というわけで、「理想の男性のタイプは?」という質問には今まで渡哲也と答えていたのですが、最近は藤岡弘、と答えることにしています(笑)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿