セイナルボンジン

時代を逆行する大きなお友達ブログ。宇宙戦艦ヤマトや東映特撮ほか。

カジノロワイヤル

2006-12-02 00:52:34 | 映画
ダニエル・クレイヴの6代目ボンド。かっこよかったです。

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007シリーズ最新作、『007/カジノロワイヤル』を見てきました。

今回は、00(トップスパイの称号)に昇格したばかりのジェームズ・ボンドが主人公。若く荒々しい彼が、いかにして洗練されたプロへ成長するか、という過程を描く作品です。コレまでのシリーズとはガラッと雰囲気が変わるであろうことは予測できたので、期待半分、不安半分でした。

で、見終わった感想としては、「マニアや評論家の受けはよさそうだけど、興行的には…?」です。
一緒に行った、職場のブロスナンボンドファンの人が激怒してました。
映画館でエンドクレジットが始まるや否やほとんどの人が席を立ち、あちこちで「こんなの007じゃねーよ」との声が。か、悲しい…

とりあえず自分の感想、良かった点から挙げてみます。

まず、公開前にアンチ騒動のあった主演のダニエル・クレイヴですが、非常に良かったと思います。史上最もクールなボンド、明るいブルーの瞳が印象的で、ハードなスパイのイメージを創りあげていました。で、この冷血ボンドが、ボンドガールと出合って徐々に人間らしい表情が増えてくるんですが、笑った顔が可愛いんです。

ボンドお約束の、タキシード姿も美しい。そして、その格好で戦うと、服が乱れて半裸になりますが、これがまた、いい体なんですねぇ。コネリークラスのナイスバディ。この体で、どうやってあんな細身のスーツを着こなしてたんだというくらい(笑)

敵キャラも、「涙腺の異常で血の涙を流す男」と、いつも通りムダに濃いビジュアルで良いです。放送コードにひっかかりそうな拷問も強烈でした。痛そう。

アクション面は、前作がCGに頼りすぎた反省からか、肉弾バトルメインです。特に序盤の、リアルスーパーマリオとも言うべき超絶鬼ごっこは必見です。


さて、問題点ですが・・・
そもそも、娯楽映画である「007」に、客が何を求めているか。
自分なりに考え付くところは、
①「気の利いたジョークをいい、憎らしいほどの余裕を見せつつおねーちゃんを口説き、悪を倒すボンド」
②「ボンドのテーマに乗って、壮快に大活躍」
③「Qが提供する、ドキドキワクワクのガジェット」
てな所なんですがどうでしょう。

今回の映画には、これらが大幅に削られてます。
一つ目は、若き日のボンドということで、これがないのは覚悟してました。
二つ目、これまでどんなボンド映画でも、大概「ここぞ」の見せ場ではあの「でんでけでーんででで、でんでけでーんででで、ちゃらっちゃら~ちゃらら~」のボンドのテーマがかかってたんですが、今回、劇中では流れませんでした。(最後、エンドロールでようやくかかる)
三つ目、Qとマニーペニーが出てこない。当然ガジェットも地味。
Qのいない007なんて、梅干の入ってないお茶漬けだよう・・・

リアル時代劇を志向した、石坂浩二の水戸黄門が大コケしたのをちょっと思い出して、心配になってしまいました。ブロスナンボンドも好きだったけど、彼も50歳過ぎてますし、今さら復帰してもさほどプラスにはならないと思います・・・

とはいえ、クレイヴボンドは斬新なビジュアルで、個人的には非常に気に入りました。次回作の登板も決定してるそうなので、今度は!シリーズのお約束を踏まえた、ボンド節溢れる娯楽作を期待したいと思います。
なにも、ムーアみたいなエロスとジョークを出せとは言いませんから(笑)