遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(405) 小説 昔の話し・・人魚の唄 他 人の行動 ほか

2022-07-17 12:25:35 | つぶやき
          人の行動(2022.7.10日作) 


 人間の行動は究極
 欲望の上に成り立っている
 それが他者に取って
 良い欲望であるか
 悪の欲望ーー自己中心的欲望であるか
 最後は そこへ行き着く


         弛緩した国

 
 二千二十二年 令和四年 七月現在
 日本という国は あらゆる面に於いて
 力を失い ゆるみ 弛緩している
 かつての日本国民が持っていた
 一途さ と言えるものが
 影を潜め 総てを程々に
 まあ 良し ! とする
 ぬるま湯体質に
 陥っている 
 
  ーー七月八日 安部晋三元総理
     銃撃により死去

  命のはかなさ 脆(もろ)さ
  今 そこにあったものが一瞬 瞬時に
  消え去り 無いものに変わっている
  この状態の不思議さ 怖さ 人の生きる 一瞬 一瞬 その "時"が
  この怖さ 不思議さの上に
  成り立っている

     




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          昔の話し
           人魚の唄(1)


 落人ヶ浦へ行く人は今ではほとんどいない。人が足を踏み入れる事も出来ない程の樹木に覆われ、小高い山に三方を囲まれたその入り江には、一本の道も通じていない。僅かに西側、入り江の先端で、山間を流れ下る小さな川が海にそそいでいる。流れが速く、幅の狭い川には岩とまでは言えない大きな石があちこちに散在していて、小舟で下るにも危険な場所だった。
 しかし、かつてはそこにも人が住んでいたという。落人ヶ浦ーー。
 その名が示す通りに、平家の落人達がそこに居を構え、三十戸程が密集する部落が出来ていたという。
 他にも、刑期を終えた重罪人達がそこに移り住むようになった、という話しも伝えられていたが真相は分からない。
 いずれにしても昔の話しで、やがて、その部落が消滅した経緯を知る人もまた、いなかった。ただ一つ、今でも、その入り江に関しては奇妙な話しが語り継がれている。そして、その話しの奇妙さゆえに、単なる噂話しか、誰かが見た夢の中の話しなのかとも思われるのだが、なぜ、そのような話しが語り伝えられるようになったのか、それもまた、分からなかった。

 その男が何処から来て、何時から部落に住み着くようになったのか、誰も知らなかった。
 奇妙な男だった。一メートル八十センチ(一間)を超えるかとも思われる背丈に、胸の筋肉などの逞しく盛り上がった姿には、男が以前、肉体を酷使する仕事に携わっていたのではないか、と想像させた。事実、部落の人達の間では、男は以前、炭鉱夫として働いていた、という噂が何時の間にか、それが真実であるかのように囁かれるようになっていた。
 男は五十歳前後と思われるのにも係わらず、その頭部はきれいな禿頭(とくとう)だった。寒の季節を除いて以外は、常に下帯一つの裸で過ごしていた。
 男は時折り、部落に現れた。しかし、それだけで何をする訳でもなかった。ただ、部落の中心地点の十字路を通って、何処へともなく砂の道を歩いて行った。絶えず首を左右に小さく振りながら、肩を揺すって裸足で歩いて行く姿は異様で、男の正体の知れなさと共に、内面的な異常さをも思わせて不気味だった。
 男はだが、それ以外の事で特別に部落の人達に危害を加えたり、何かの災いをもたらしたりするような事は何一つなかった。それで、部落の人達も男の姿を見ると、
「ほら、また、あの男が歩いて行くよ」
 と好奇の眼差しを向ける事はあっても、殊更に排斥したりするような事はなかった。部落の人々は海で豊富に獲れる小魚の漁をしながら、荒れ地に畑を作り、背後の山林で山菜を採ったりしながら穏やかな日々を生きていた。
 そんな部落の人達の日々に、時折り、小さな出来事が起こるようになったのは、男が姿を見せてから最初の夏を迎える頃の事であった。畑のキュウリが何本か盗まれた、トマトが二つ三つなくなっていた、大根が一本、引き抜かれていた、などと、これまでになかった事が起こり始めていた。
 部落の人達は最初、その出来事を気に留めていなかったが、そのうち、何かの話しの中で何人かが口にするようになると、俺の所でもそうだ、我が家でもそうだ、という事になって話しは一気に広がった。
 部落の人々にはすぐに察しが付いた。
「あの男の仕業だよ」
 かつての部落にはなかった事だった。得体の知れない男が姿を見せてから起こり始めていた。
 部落の人達はだが、それで男を咎めたりするような事はしなかった。何処か尋常ではない男の様子と共に、被害と言う程の被害でもなくて、部落の人達に取っては笑い話しで済ませるような出来事だった。
 男は川原に広がる草地に、ススキと竹で編んだだけの小屋に住んでいた。梅雨の頃、川釣りに行った老人が初めて見付けた。後日、別の人達も何人かが、下帯姿の男がその小屋に出入りするのを眼にするようになっていた。





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          桂蓮様

           有難う御座います
          今回も戴きましたコメント 楽しく拝見させて戴きました
           爪を切られる・・・
          思わず笑ってしまいました  
          そのような余裕に満ちた人生 お幸せそのもののお姿が    
          浮かんで来ます それにしても 良いパートナーの方 羨ましい限りです
          いつも書きますが このコメントの記事 狭い所に閉じ込めて置くには
          勿体ない文章です 日常が何気ない言葉遣いの中で気負いなく語られていて
          素直にイメージが浮んで来ます ブログにもアメリカ便り とでも題して
          掲載してみては如何ですか 
           新作 「まー センターでバー無に踊ることに比べるとなんでもないけどね」
           先生の余裕に満ちた顔が自ずと浮んで来ます
          それをマスターした人にはなんでもない事が そこに行き着こうとする人間には
          大変な苦労を要する事なんですよね 何事もその苦労を乗り越えた所に
          本物がある訳でして 桂連様も一日も早く そこに辿り着く事を
          お待ちしております 
           身体は使わなければ死ぬ まさに至言です
          人生の長い経験の中から得た言葉 貴重です
          御祖母様がどのような人生を歩んだ方かは存じませんが
          深い叡智に満ちた言葉です そして 経験の中から得られた言葉には
          嘘がありません
          生半可な知識人の言葉より はるかに貴重です
           何か お便りの中では大分 あちこち 痛みをお抱えのようですが
          それにしても 弱音を吐きながらこうして何時もブログを書き続けていらっしゃるのは 
          やはり根っから身に付いた習性なのでしょうか
           夜中の三時 ?
          どうか無理をなさらぬようにして下さい 
           トウシューズ 輝ていますね
          桂連様の弾む心持がそのまま伝わって来るような思いを抱きます
          それにしても 良い趣味をお持ちです
          どうぞ 益々 張り切って良い日々をお過ごしくださいませ
          何時もお眼をお通し戴き有難う御座います



          takeziisan様


           コメント 有難う御座います
          二重投稿 消さないで置きます
          あとでかえり見た時によい思い出になると
          思います
          有難う御座います
           川柳受賞 さも在りなんと納得
          おめでとう御座います
           景色は尾瀬ケ原でしょうか 心が洗われます
          同時に胸の中で 夏の思い出 を口ずさんでいました
          訪れた事は無いのですが この歌の思い出と共に なぜか
          尾瀬は懐かしい風景です
           不便 ヨッパガワルイ 寄る場所が悪い という事でしょうか
          いずれにしても方言はその地方独特の面白さと良さがあります
          無くしたくないものですね
           なんの御病気 ?
          いずれにしても お変わりの無い事 祝杯を上げたい気持ち分かります
          どうぞ 日常の生活にお気を付け下さいませ
           足がつるーーわたくしにも よくあります 特に夜中に多くて体中を固くして
          痛みに耐えています
          この痛みときたら一通りのものではないですね 人は
          水分不足などと言いますがどんなものなんでしょう
          これが泳いでいる時に来たらそれこそ 大変な事になります
           猛暑の続いたあとの連日の雨 戻り梅雨ででもあるのでしょうか
          それにしても最近の雨量には驚かされます このままゆくと 
          地球はどうなってしまのか と思います
           野菜の写真 ゴーヤのジャム 自身で収穫してこその
          特典 羨ましい限りです
           今回も様々な花の写真 楽しませて戴きました
          道路沿いに美しい花の咲く景色 羨ましいですね
           何時も御声援戴き 有難う御座います
          御礼申し上げます