原題:『A Simple Favor』
監督:ポール・フェイグ
脚本:ジェシカ・シャーザー
撮影:ジョン・シュワルツマン
出演:アナ・ケンドリック/ブレイク・ライヴリー/ヘンリー・ゴールディング/アンドルー・レイノルズ
2018年/アメリカ
ストーリーでブレる原題の意味について
主人公のステファニー・スマザースと、息子たちが同じ幼稚園に通うことから友人になったママ友のエミリー・ネルソンの密かに交わした秘密の「構図」が似ていることが気になる。
ステファニーは亡くなった父親の葬儀で腹違いの兄であるクリスの存在を知り、すぐに肉体関係を持ってしまうのであるが、それを何となく察した夫のグレイスが話し合いをするためにクリスと車で外出した直後に自動車事故で2人とも亡くなってしまい、ステファニーは一人息子のマイルズを育てながら「ユーチューバー」として活動している。
エミリーはアパレル会社のPRディレクターとして働きながら、小説家ではあるがスランプに陥っている夫のショーンと息子のニッキーを養っているのであるが、エミリーはショーンと夫のアシスタントと3Pの経験があると告白する。
そしてエミリーが行方不明になった後、ステファニーがショーンと関係を持ってしまうという展開になると、この原題「シンプル・フェイバー」は「ちょっとしたお願い」という本来の意味から「簡単に身を許す」という意味なのかと誤解しそうになるのだが、おそらくこれはストーリーの後半のどんでん返しの意外性を推察させないためのミスリーディングなのであろう。
BGMはセルジュ・ゲンスブール(Serge Gainsbourg)を中心として全てフレンチポップで占められているのだが、ここではジャン・ポール・ケラーのヒット曲を和訳しておく。因みにこの曲にインスパイアされた曲がC-C-Bの「不自然な君が好き」である。
「Ça s'est arrangé」 Jean Paul Keller 日本語訳
女の子たちや男の子たち
男の子たちや女の子たち
一緒に生きていくためにするんだ
みんなが納得しているし異常なことではないのだから
それはありふれたことなんだ
僕がいたグループには
僕が気になっていた女の子がいたんだ
彼女は人形のようにかわいくて
彼女は僕の好みだった
ある晩彼女は踊りに行きたがった
僕は映画館に彼女を連れて行った
まるで恋人のように僕たちが一緒にいると
僕はどぎまぎしていた
だから僕は最初から彼女にキスをすることを躊躇っていた
10分で何とかしたよ
映画を観に行った晩から
彼女が僕に気があると僕は信じている
まるで恋人のように僕たちが一緒にいても
僕はもうどぎまぎしないよ
だって実はお互い楽しんでいることが
僕にはよく分かるから
ご覧のように何とかしたんだ
女の子たちや男の子たち
男の子たちや女の子たち
一緒に生きていくためにするんだ
みんなが納得しているし異常なことではないのだから
女の子たちや男の子たち
男の子たちや女の子たち
一緒に生きていくためにするんだ
みんなが納得しているし異常なことではないのだから
Jean Paul Keller - Ca S'est Arrange