監督:田中亮
脚本:古沢良太
撮影:板倉陽子
出演:長澤まさみ/東出昌大/小手伸也/小日向文世/白濱亜嵐/関水渚/古川雄大/ビビアン・スー
2020年/日本
「封筒」との相性の悪さについて
いつものようにどんでん返しの連続で十分楽しめる作品に仕上がっているという前提で誰も書かないようなことを記しておきたい。
大富豪のレイモンド・フウが亡くなり、遺書に遺産相続人と名指しされたミシェル・フーの身代わりとしてダー子が選んだ人物がコックリなのだが、彼女の身辺調査をしていたレイモンドの執事のトニー・ティンはクアラルンプールの下町でレイモンドから手紙を受け取っていたシティを見つけ出す。つまりミシェルの母親を装っていたダー子もミシェル本人も偽物であることがバレたのである。
ところがわずか4カ月で複数の外国語を身につけ、人柄も良かったコックリを気にいったトニーはシティが受け取ったレイモンドの手紙の最初の「Dear Siti」だけを切り取って3人の子供たちに見せることでコックリを正式の遺産相続人として認めさせるのであるが、当然のことながら手紙が封入されていた封筒にはシティの名前が書いているはずで、何故3人が封筒に興味を示さないのかが不思議なのである。
これは勿論些末なことではあるが、前作『コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』(2019年)においても「封筒」に関する間違いがあったので、何故続けてこんなことになるのか興味深いのである。