川の底からこんにちは
2009年/日本
萎びたギャグ
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『川の底からこんにちわ』という作品はコメディ映画として撮られたのであろうから、物語の流れの不自然さを指摘することも、もちろん‘常識’でストーリーを測るようなことも野暮であることは分かっているのであるが、それにしてもこの作品には決定的に足りないものがある。脚本は悪くないのであるが、ギャグに全く‘キレ’が無い。主人公の木村佐和子の、人生を諦念したぶっきらぼうな物言いもギャグとして捉えるならば面白いはずであるのだが、全体的に石井裕也監督のギャグの演出に‘キレ’が無いために却ってあざとく見えてしまう。善し悪しはともかく、ラストの満島ひかりは‘黒み’に遮られて、ジャン=リュック・ゴダール監督の長編デビュー作『勝手にしやがれ』のラストのジーン・セバーグになり損ねている。もっと脚本の良さを信じて挑発的な演出を試みても良かったはずなのであるが、‘置きに行った’ためにコメディとしては中途半端なものになっていると思う。
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