原題:『ジ、エクストリーム、スキヤキ』
監督:前田司郎
脚本:前田司郎
撮影:平野晋吾
出演:井浦新/窪塚洋介/市川実日子/倉科カナ/高良健吾/沖田修一
2013年/日本
「極上のすき焼き」の「食べ方」について
本作は冒頭のシーンをどのように見るかによって解釈が大きく変わると思う。「主人公の洞口は大学を卒業して以来、15年もの月日がむなしく流れたことを悟り自殺しようとするが失敗し、自身の絶頂期だった学生時代の親友大川の家を訪ねる」というのがとりあえずのあらすじである。
しかし自殺を試みて失敗した洞口は長期の入院を強いられるはずで、車はともかく、自殺未遂した時と着ているものが同じということは考えにくいのである。
つまり冒頭の自殺未遂のシーンは時系列の最初ではなくて最後なのではないのか。「人生、一寸先は闇」と語っていたように、すき焼きを食べた後に4人は何らかの原因で仲たがいしてしまい、洞口は自殺を試みるものの失敗し、自力で車に戻り京子が持って帰らなかった本に挟まっていた昔の写真を見て懐かしんでいるのではないだろうか?