原題:『彼女が水着にきがえたら』
監督:馬場康夫
脚本:一色伸幸
撮影:長谷川元吉
出演:原田知世/織田裕二/伊藤かずえ/田中美佐子/谷啓/伊武雅刀
1989年/日本
嫌煙という「新興宗教」の脅威について
ストーリーそのものは大したことはないが、おそらく当時の最新のクルーザーや水上オートバイ、水中スクーター、ホーバークラフト、あるいはダイビング器材のプロモーション映画として、またはサザンオールスターズのPVとして観るならば悪い出来ではない。角川映画の衣鉢を継いだのはフジテレビだったことは分かる。
本作は当時のバブル感を醸し出しているだけではない。織田裕二が演じる吉岡文男がタバコを吸おうとする時に、原田知世が演じる主人公の田中真理子が断固として拒否するのであるが、そのような真理子のタバコに対する異常な嫌煙振りを見て文男は「新興宗教か!」とツッコミを入れる。おそらく当時のタバコに対する感覚が正確に反映されているセリフだと思われる。20年経ってその「新興宗教」が日本のみならず世界的にはびこることになるとは当時の織田裕二は想像すらしていなかったであろう。