はっぴいえんどは最初に「日本語ロック」を確立したということで知られているが、
私にはこの意味がよく分からなかった。例えば、はっぴいえんど以前にもザ・モップス
をはじめとする「グループサウンズ」と呼ばれるバンドが存在していたからである。
高橋幸宏の『心に訊く音楽、心に効く音楽』(PHP新書 2012.8.31)を読んでいて、
はっぴいえんどの功績とは、「四畳半フォーク」のような内省的な歌詞とロックの
リズムを組み合わせたことにあったことが分かったのであるが、はっぴいえんどの
サウンドはバッファロー・スプリングフィールドを基本にしており、今聴きなおして
みると、バッファロー・スプリングフィールドのサウンドはロックとしてはおとなしく、
本格的なロックとして聴くならばはっぴいえんどよりも圧倒的にザ・モップスの方が
今なお聴くに堪えられるロックサウンドだと思う。特に洋楽のカヴァーは完璧である。