原題:『劇場版 進撃の巨人 前編 紅蓮の弓矢』
監督:荒木哲郎
脚本:小林靖子/瀬古浩司/高木登
撮影:山田和弘
出演:梶裕貴/石川由依/井上麻里奈/谷山紀章/小林ゆう/下野紘/逢坂良太
2014年/日本
フランシスコ・デ・ゴヤと『進撃の巨人』の関係について
かつてフランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco José de Goya y Lucientes)の作とされた『巨人 (El coloso)』(1808-12年)が堀田善衛に『ゴヤ』(1974-77年)という長編評伝を書かせたように、21世紀になり諫山創に『進撃の巨人』を描かせたのかもしれない。堀田の評論がゴヤそのものよりもヨーロッパを中心とした文明批評であったように、『進撃の巨人』の舞台もヨーロッパのようで、さしずめ『精神病棟の中庭(Corral de locos)』(1794年)で『我が子を食らうサトゥルヌス(Saturno devorando a un hijo)』(1819-23年)が描かれているように見えるのは偶然なのだろうか? 巨大なスクリーンで観るからこそ巨人は映えるはずなのだから後編を楽しみに待ちたいと思う。
『巨人』
『精神病棟の中庭』
『我が子を食らうサトゥルヌス』