MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『嫌な女』

2016-07-02 00:15:23 | goo映画レビュー

原題:『嫌な女』
監督:黒木瞳
脚本:西田征史
撮影:渡部眞
出演:吉田羊/木村佳乃/中村蒼/古川雄大/佐々木希/ラサール石井/寺田農/永島暎子
2016年/日本

女性監督特有のカレンダーの演出について

 私の見間違いでなければ、主人公の石田徹子は平成6年(1994年)に司法試験に受かり、26歳の時に萩原法律事務所に所属することになる。それからいつ坂口博之と結婚して離婚したのか定かではないが、事務所のカレンダーから判断するならば、現在は「2016年7月」かと思ったのであるが、小谷夏子に関する婚約破棄を巡る一騒動が終わった後に、新人弁護士として磯崎賢を迎えて一年が経ち、再び7月になる。つまり「2017年7月」になるはずなのだが、どうも事務所のカレンダーがそのようになっていない。
 そうなると「2016年7月」ではなかったのかもしれないと思い、調べてみたら「2005年7月」も同じ日にちの並びだったことが分かったのではあるが、だからと言って翌年が「2006年7月」にはならないのである。更に事務所のカレンダーの8月も含めて調べてみると何と「翌年」は「2009年7月」になってしまうのである。
 しかし更に驚くべきことは、小谷夏子の内縁の夫だった橋本敬一郎が入院した日が「平成27年5月7日」とベッドに書かれており、徹子と坂口の結婚の様子が8ミリビデオで撮られていたりと、もはやいつの時代の話をしているのか見当がつかなくなってくるのである。しかしこれは演出のミスではない。昔のカレンダーをわざわざ用意する手間ひまをかけた演出ミスなどありえないからで、20代ならば許せても、30代か40代かは曖昧にしたい、石田徹子を演じた吉田羊こそが「嫌な女」というのであるならば逆に面白い。


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