テラビシアにかける橋
2007年/アメリカ
‘卒業制作’
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
10歳前後の子供たちが現実の中で生きていく上で抱く疎外感を、自分たちが頭の中で作りだす架空のイメージで解消していきながら成長していく様子はCGの控えめな利用も合わせて上手く描かれていると思う。しかしラストシーンに問題があるのではないのだろうか?
ラストシーンはジェスが妹のメイベルを連れて自分が作った橋を渡らせて‘テラビシア王国’の女王として迎えるというものである。しかし‘テラビシア王国’に意味があるとすればそれはジェスとレスリーが何もないところから王国までに築き上げる過程にこそあるはずなのだ。王国が完成する間じかにジェスが音楽の先生に気を奪われてレスリーを誘わずに2人だけで美術館に行った結果、レスリーが事故で命を失った時、ジェスは人を愛することの難しさを思い知り大人になり王国が完成したのであるから、ジェスは完成した王国の王になるのではなく、王国から‘卒業’するべきであり、妹のメイベルは既に出来上がっている王国に女王として迎えられるのではなく、ジェスやレスリーのように何も無いところから自分の力で王国を築かなければ成長する経験ができないため意味がなくなってしまう。
だからテラビシアの橋というものは子供からの‘卒業制作’であるはずべきなのだ。
あと蛇足ではあるがあれだけ美人でスポーツ万能で頭の良いレスリーに友達がいなかったという設定は考え難い。そのような設定にしたいのであるのならば説明不足だと思う。
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