MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ボーダー』 70点

2010-05-28 21:03:50 | goo映画レビュー

ボーダー

2007年/アメリカ

ネタバレ

‘名コンビ’という遺産

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 ロバート・デ・ニーロやアル・パチーノの全盛期を知る人たちにとっては物足りなさを感じることはやむを得ないのであるが、それでも新しいテーマに挑んだ点を見逃すわけにはいかない。
 この作品のテーマは‘コンビとしての優秀さ’を受け継ぐことの困難さである。ニューヨーク市警に勤めるターク刑事とルースター刑事は名コンビとして、そのノウハウをサイモン・ペレスとテッド・ライリーの若いコンビに受け継がせることが役割となるはずなのだが、作品内で名前が挙がる‘ジョン・レノン&ポール・マッカートニー’や‘刑事スタスキー&ハッチ’のようにコンビとしての彼らの衣鉢は‘マンツーマン’のようにはなかなか継がれることはない。それはおそらく例え名コンビと謳われようとも絶えず二人の間には葛藤があり、関係のバランスが微妙に崩れるだけですぐに悪化してしまう余裕の無さが他者にノウハウを教えるような暇を与えないからなのであろう。
 長い間コンビの関係を良好に保っていられたターク刑事とルースター刑事は、ターク刑事が裁判で無実になった容疑者を逮捕するために仕掛けた瑣末な罠をきっかけに‘正義’が暴走しはじめることになった。それは2人が刑事だからであり、‘レノン&マッカートニー’ならば良質の作品の追求の仕方に齟齬をきたしたということになるのであろう(そしてそれは何故か大抵‘女性’が絡んでくるのである)。
 このようにテーマは悪くないのであるが、演出上の分かり難さは否めない。


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