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『源氏物語 千年の謎』 50点

2012-01-09 22:42:12 | goo映画レビュー

源氏物語 千年の謎

2011年/日本

ネタバレ

『源氏物語 千年の謎』は謎のまま

総合★★☆☆☆ 50

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 作品の冒頭で藤原道長が紫式部を抱いてしまうシーンの唐突さは、間もなくして道長が、一条帝の心を娘の彰子に向けさせるために物語を書くよう命じた際に、紫式部が見せた涙が愛ではなく裏切りを知ったことの伏線であるだろうし、ラストで光源氏が振り向きざまにする高笑いが、帝と彰子の間に男の子が生まれ、役目を終えたはずの『源氏物語』を紫式部が書き続け、自分自身が書いているにも関わらず、自分の思い通りにならないながらも、何としてでも主人公の光源氏(=藤原道長)を追い詰めようとしたにも関わらず、詰めが甘かったことに対する勝利の雄叫びのように響くのではあるが、「現実」の主人公と「物語」の主人公の性別の違いなど、紫式部の藤原道長に対する心の葛藤と光源氏の藤壺に対する心の葛藤が上手くリンクしていないように感じる。
 その齟齬を補うために陰陽師の安倍晴明を登場させたアイデアは買うとしても、物語は怪談じみたものになってしまい、リアリティーを失っている。『源氏物語』にリアリティーをもたせるためには、やはり18禁の‘ハード’なポルノグラフィーにしなければ映像だけは豪華絢爛の薄っぺらいものにしかならないと思う。


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