ファッションが教えてくれること
2009年/アメリカ
残された2葉の写真
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
残念ながらドキュメンタリー映画として私たちが想像できる以上のものを観ることはできない。特に‘Nuclear(核兵器)’という異名をとる米国版『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンターの作品内での佇まいはせいぜい‘地雷’レベルで彼女の‘核兵器振り’が観れなかったことは残念だった。それとも撮影された2007年頃にはだいぶ丸くなっていたのだろうか?
アナ・ウィンターの印象的な発言があった。雑誌編集者だった彼女の父親が引退を決意した理由が「怒りを抑えることができなくなったから」というものだ。通常ならば仕事に対して怒りが湧かなくなってどうでもよくなったから辞める決意をしそうなものであるが、怒りを抑えられるからこそモチベーションを保ちながらそれでも冷静に仕事に携われることで良い結果が残せるのである。
それにしてもラストに映った『ヴォーグ』の2007年9月号の出来上がった表紙には驚いた。最終的に候補として2枚の写真が残った。その2枚の写真の違いは微笑むモデルの歯の出方の度合いの違いである。最後まで歯がよりはっきり出ている方が選ばれるような展開で、私もそちらの方が華やかで良い笑顔だと思ったが、結局アナ・ウィンターがモデルの歯が出すぎていることに難色を示して歯があまり出ていない方が印刷に回されていたのである。読者に媚を売らないというアナ・ウィンターの決意表明を感じた。
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