原題:『C'mon C'mon』
監督:マイク・ミルズ
脚本:マイク・ミルズ
撮影:ロビー・ライアン
出演:ホアキン・フェニックス/ウディ・ノーマン/ギャビー・ホフマン/モリー・ウェブスター
2021年/アメリカ
2つの正反対の言葉で織りなす物語について
ここでは本作の2つのキーワードに注目してみたいと思う。一つはタイトルにもなっている「カモン(C’mon)」である。「カモン」は主人公でラジオ局に勤めるジャーナリストのジョニーの甥であるジェシーが、思うことは起こらないのに、思いがけないことが起こると言った後に言うことばである。字幕では「先に」と訳されていたのだが、正確には本来の意味通りに思いがけないことに対して「来てみろよ」や「望むところだ」ということだと思う。
もう一つのキーワードがジョニーとジェシーが対話に詰まる時に発する「くだらない、どうでもいい」という意味の「ぶらぶらぶら(Blah Blah Blah)」である。
この、全く正反対のキーワードにジョニーたちが取材で集めている子供たちの発言が挟まれていることを勘案するならば、子供たちの発言を活かすも殺すも私たち観客に委ねられていると思うのである。
本作で使用されていて、R.E.M.もカヴァーしているワイヤーの「ストレンジ」を和訳しておきたい。
「Strange」 Wire 日本語訳
今夜何か変なことが起こっている
全くあり得ない何かが起こっている
ジョーイは神経質になって灯りはどれも明るい
全くあり得ない何かが起こっているんだ
ここでは以前無かったような何かが起こっている
君の両目はそのフロアーにくぎ付けになっている
誰も君の命を救うことはないだろう
全くあり得ない何かが起こっているんだ
気を付けろ
用心しろ
ここでは以前無かったような何かが起こっている
君の両目はそのフロアーにくぎ付けになっている
誰も君の命を救うことはないだろう
全くあり得ない何かが起こっているんだ
今夜何か変なことが起こっている
全くあり得ない何かが起こっている
ジョーイは神経質になって灯りはどれも明るい
全くあり得ない何かが起こっているんだ
何かがある
何かがある
何かがある
何かがある
Wire"Strange''
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